第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
パーシーが見物人に『さあ、もう行った』となんとか追い出し散らかしてくれた。
だけどそれでも見物人たちは未だに笑っていて、私はハリーに声をかけれずにいた。
「マルフォイ、君もだ」
ふと、マルフォイの方へと視線を向けた。
マルフォイの手にはあの日記が握られていて、私はギョッとする。
「それは返してもらおう」
「ポッターはいったいこれに何を書いていたのかな?」
どうやらマルフォイはあの日記をハリーのものだと勘違いしているらしい。
するとジニーが居ることに気がついた私は、彼女が顔を引き攣らせたいるのに気が付いた。
「マルフォイ、それを渡せ」
パーシーが言うけれど、マルフォイは渡そうとしない。
その時、ハリーが杖を取りだしてから叫んだ。
「エクスペリアームス(武器よ去れ)!」
ハリーが呪文を唱えると、マルフォイの手から日記が飛んでロンがそれをキャッチした。
するとパーシーの怒号が響く。
「ハリー!廊下での魔法は禁止だ。これは報告しなくてはならない。いいな!」
マルフォイはというと、ハリーをからかえなかったのが嫌だったのだろう。
ジニーへと『ポッターは、君のバレンタイが気に入らなかったみたいだぞ』と意地悪そうにいった。
それを聞いたジニーは両手で顔を覆ってから教室へと飛び込んだ。
「性悪腐った純血マルフォイ!!」
私はマルフォイへと本を投げつければ、それは綺麗に彼の後頭部に命中する。
何か叫んで怒り狂っていたけれど、それを無視していればロンがマルフォイへ杖を向けていたがハーマイオニーが止めていた。
その日の夜のこと。
私は談話室の暖炉で寒いからと火にあたり、体を温めていた。
「最悪だわ、ギルデロイ・ロックハート。余計なことしかしないわね」
「まあまあ、そんなに怒るなよお姫様」
「ところでお姫様?君、セドリック・ディゴリーに花束を貰ったそうじゃないか」
ジョージの言葉に私は頷いた。
するとフレッドが機嫌悪そうにしながらも、ローブのポケットから何かを取り出す。
「なに?」
「ドライフラワーの栞だよ。手作りで、セドリック・ディゴリーより見劣りはするけれど」
フレッドはそう言いながら、栞を渡してくれた。
そこにはシクラメンのドライフラワーが挟まれていて、可愛らしくて私は微笑んだ。
「可愛いわ!これ、私に?」
「そうだよ。ちっぽけだけどな」