第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
2月の初め頃。
ハーマイオニーは猫の姿から元の姿になり、無事に医務室から退院した。
そして彼女がグリフィンドール塔に帰ってきた夜、私たちは彼女にT・M・リドルの日記を見せた。
「うわー、もしかしたら何か隠された魔力があるのかもよ」
ハーマイオニーは興味津々出日記を手に取って調べ始めている。
「魔力を隠してとしてたら完璧に隠しきってるよ。恥ずかしがり屋かな。ハリー、そんなもの、なんで捨ててしまわないのか、僕にはわからないな」
「誰かが、どうしてこれを捨てようとしたのか、それが知りたいんだよ」
「それは私も知りたいわね。わざわざ、何故嘆きのマートルのところにこれを捨てたのかを」
私はあの時より乾いて、少し皺になっている日記を撫でた。
「そうだね、僕もそれが知りたいんだ。それに、リドルがどうして、『ホグワーツ特別功労賞』をもらったかも知りたいし」
「そりゃ、なんでもありさ。O・W・Lの試験で30科目受かったとか、大イカに捕まった先生を救ったとか。極端な話、もしかしたらマートルを死なせてしまったのかもしれないぞ。それがみんなの為になったとか……」
その時、私とハリーとハーマイオニーは黙った。
多分3人とも同じことを考えてるいたのだろう。
「なんだよ?」
ロンは私たちの顔を交互に見てから怪訝そうにしている。
「ほら、『秘密の部屋』は50年前に開けられただろう?マルフォイがそう言ったよね」
「ウーン……」
「そして、この日記は50年前の物なのよ」
「それが?」
「ロン、この日記は50年前の物。マルフォイは50年前に『秘密の部屋』が開いたと言ったのでしょう?」
私はハーマイオニーが持っていた日記を少し叩く。
だけどロンはピンと来ていないようで、『どいうことだい?』と言うだけ。
「何よ、ロン。目を覚ましなさい。『秘密の部屋』が開けた人が50年前に学校から追放されたことは知ってるでしょう?T・M・リドルが50年前『特別功労賞』をもらったことも知ってるでしょう。それなら、もしリドルがスリザリンの継承者を捕まえたことで、賞を貰ったとしたらどう?この日記は全てを語ってくれるかもしれないわ。『部屋』がどこにあるのか、どうやって開けるのか、その中にどんな生き物が住んでるのか。今回の襲撃事件の背後にいる人物にとっては、日記がそのへんに転がってたら困るでしょ?」