第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
「ハーマイオニー、出てこいよ。僕たち君に話すことが山ほどあるんだ」
「帰って!」
小部屋から聞こえたのはハーマイオニーの叫び声。
ロンは驚いた顔をしてから私を見てきて、私は何も言えずに俯くだけ。
「どうしたんだい?もう元の姿に戻ったはずだろ。僕たちは·····」
するとハーマイオニーの小部屋から嘆きのマートルが出てきた。
ニヤニヤと笑っていて、そんな彼女を見たハリー達はキョトンとしている。
「オォォォォォ。見てのお楽しみ。ひどいから!」
「ちょっとマートル!!」
その言葉に私が怒りを顕にしていれば、マートルは私へと舌を出すと消える。
するとカタンと音が鳴ってハーマイオニーが、小部屋から出てきた。
しゃくりを上げながら、頭のてっぺんまでローブを引っ張りあげている。
そんな彼女にハリーとロンは困った顔をしていた。
「どうしたんだよ?ミリセントの鼻かなんか、まだくっついているのかい?」
ハーマイオニーは意を決してローブを外すと、その姿に驚いたロンは手洗い台にはまった。
「あれ、ね、猫の毛だったの!ミ、ミリセント・ブルストロードは猫を飼ってたに、ち、違いないわ!それに、このせ、煎じ薬は動物変身に使っちゃいけないの!」
「う、ぁ」
ロンは言葉を詰まらせて、私は何も言えずにハーマイオニーのことを抱きしめて背中をさすってあげる。
「あんた、ひどーくからかわれるのよ」
「うるさいわよ、マートル!黙りなさい!」
「大丈夫だよ、ハーマイオニー。医務室に連れて行ってあげるよ。マダム・ポンフリーはうるさく追求しない人だし·····」
私たちはなんとかハーマイオニーをトイレから出るように説得した。
嘆きのマートルのその間、ずっと大笑いをしていてゲラゲラと笑う声が耳障り。
「みんながあんたの尻尾を見つけて、なーんて言うかしらー!」
「黙りなさいって言ってるでしょ!この性悪一人ぼっちゴースト!!」
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ハーマイオニーはあれから、何週間も医務室に泊まり込んでいた。
クリスマス休暇を終えて、戻ってきた生徒たちはハーマイオニーが襲われたんじゃないかと噂話をしている。
「ハーマイオニー。今日の宿題よ」
「ありがとう」
私とハリーとロンは、毎日のように夕方お見舞いに行ってはその日の宿題を届けに行っていた。