第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
「覚えてる?決闘クラブで私と取っ組み合ったミリセント・ブルストロード。私の首を絞めようとした時、私のローブにこれが残ってたの!それに、彼女、クリスマスで帰っちゃっていないし。だから、スリザリン生には、学校に戻ってきちゃったと言えばいいわ」
そうしてハーマイオニーはポリジュース薬の様子を見に行くといい、この場を後にした。
するとロンはまるで運命に打ちひしがれたような顔で、私とハリーを見てくる。
「こんなにしくじりそうなことだらけこ計画って、聞いたことあるかい?」
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「セブ!ちょっと話があるのよ」
大広間の方に行きそうなセブを私は呼び止めた。
呼び止められたセブは、私の方を振り返ると辺りを見てから眉間に皺を寄せる。
「Ms.フリート、なるべく吾輩の名前を呼ばないように。誰が聞いているのか分かりませんからねえ」
「あら、私と貴方だけしかいないわよ?」
「·····何時もの3人はどうされた」
「何時も一緒にいるわけじゃないわよ」
今頃、ハリーとロンはクラッブとゴイルに眠り薬入りのケーキを食べさせているはず。
そう思いながら私はセブを引き止めるために、ローブのポケットからあるものを取り出した。
淡い紺色に染められたラッピングされている袋。
私はそれを取り出してから、セブへと差し出せば彼は首を少し傾げる。
「それは?」
「クリスマスプレゼントよ。ミサンガっていうお守りなの。良かったら受け取ってちょうだい」
去年、本当は渡そうとしていたクリスマスプレゼントである。
だけど去年は色々あってセブには渡せなかったので、今回渡そうと決めていたので、足止めにはちょうど良かった。
「ミサンガ·····」
「足首とか手首に付けるといいわ」
「·····お守りなど、吾輩には不要と思いますがね。だが、受け取ってはおこう」
「素直に受け取ればいいのよ、もう!」
さて、そろそろハリーとロンはゴイルたちを眠らせた頃だろうか。
そう思いながら大広間の方へと視線を向けてから、セブを見てにっこりと笑う。
「それじゃ、私はもう行くわ。素敵なクリスマスを!」
「まて、アリアネ」
行こうとした時、セブに呼び止められて私はビクッと身体を跳ねさせて足を止める。
「な、なにかしら?」
「吾輩になにか隠していないか?」
「な、何も、隠して·····ないわよ」