第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
「あいつ、ほら、どんなことだって、自分を負かすやつは憎いんだ。なにしろ君たちは、やつの悪行の功績を全部自分のものにしてるわけだろ」
「したくして、してるんじゃないわよ。というか私とハリーはしてないわよ」
ロンの言葉にムッとしていれば、ハーマイオニーが満足そうに言う。
「長くはお待たせしないわ。ポリジュース薬がまもなく完成よ。彼の口から真実を聞く日も近いわ」
そして学期が終わりを告げる。
クリスマス休暇の為、殆どの生徒たちは居なくて城はかなり静かになっていた。
フレッドとジョージとジニーは、家には戻らずにホグワーツに残ることを決めた。
パーシーと残っているけれど、『おまえたちの子供っぽい行動はけしからん』とほとんど談話室にはいない。
「ジニー、あなた家に戻らなくて良かったの?」
「私、ここにいるわ。ジョージたちといる方が、なんだか安心できるもの」
「そう。でも怖かったりやっぱり無理だと思ったら言うのよ?マクゴナガル先生に行って、帰れるようにしてもらうから」
「ありがとう、アリアネ。貴方、やっぱり私のお姉ちゃんみたいだわ。ううん、お姉ちゃんね」
ジニーはそう言いながら満面の笑みを浮かべた。
本当の姉妹じゃないけれど、ジニーとは姉妹当然に育ってきたからそう言われた嬉しくてたまらない。
「ジニーは私の自慢の妹よ」
そんな話をしていれば、私とジニーが座っていたソファがギシッと音を鳴らして沈む。
「やあ、我がウィーズリー家のお姫様たち?ご機嫌いかが?爆発スナップはいかがな?」
「それか一緒に決闘の練習なんていかがかな?お姫様たち」
ジョージとフレッドが、私とジニーを挟むようにソファに腰掛けていた。
「どっちも遠慮しとくわ」
「私も遠慮するわ。パーシーに怒られちゃうもの」
「冒険がないぜ、お二人さん」
「怒られるのも楽しまないとな」
「「嫌よ」」
ジニーと声が重なる。
すると双子は肩を竦めてから立ち上がったかと思えば、フレッドが私の耳元で囁いた。
「じゃあな、お姫様」
ふぅーと息を吹きかけられて、私はギョッとした。
叩こうとすればフレッドは上手く私の手を交わして、ハリーたちの方へと行ってしまう。
「イタズラされたわね、アリアネ」
「なんでこう、あの双子はイタズラが好きなのかしら」
そう怒りながら夜を過ごしていった·····。