第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
嬉しかった。
ずっと私とハリーがやったと言われ続けていたから、味方でいてくれる人がいて嬉しくてたまらない。
「しかし、君たちには話したいことがあるのじゃ」
「話したいこと?」
「話したいこととは……?」
ダンブルドアは何か考える素振りを見せながら、私とハリーを見つめてくる。
その視線に落ち着かなくてそわそわとしていれば、ダンブルドアがやっと口を開いた。
「ハリー、アリアネ。まず、君たちに聞いておかねばならん。わしに何か言いたいことはないのかの?どんなことでもよい」
どんな事でもいい。
そう言われたが、私とハリーは何も言えずに立ち尽くしていた。
そしてハリーは私が言葉にする前に答える。
「いいえ。先生、何もありません」
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ジャスティンと首無しニックが襲われ、ホグワーツはパニック状態。
ゴーストまで襲われたのだから、生徒たちはそんな力を持つ者に怯えていた。
そしてクリマスマに帰宅しようと、生徒たちはホグワーツ特急の予約を入れている。
「この調子じゃ、居残るのは僕たちだけになりそう」
ロンがそう呟き、私は喋らずに小さく頷いた。
「僕たちと、マルフォイ、クラッブ、ゴイルだ。こりゃ楽しい休暇になるぞ」
「そういえばアリアネ、貴方は家に帰らなくていいの?ロンのお母様に、家に帰っておいでって手紙が来ていたのでしょう?」
「ああ……うん。でもハリー達が残るのに私だけ帰るつもりはないわ。マルフォイたちも気になるもの」
モリーおばさんからは、『家に帰っておいで。また怪我をしていないか心配なの』と手紙が来ていた。
それにパーシーが私が熱を出した事を手紙に書いて出していたようで、過保護に心配されている。
ウィーズリー家に来てからずっとそう。
モリーおばさんは、両親の親友だったからその親友から預かった子供だから、死んだ親友の子供だからと私に過保護。
「ママはアリアネに対して過保護だからなあ」
「過保護すぎて、困るけどね。そういえば、マルフォイたちってハリーと私を見るとイライラしているわねよ。最近とくに」
「そりゃ、本当は自分がスリザリンの継承者なんだって、言いたくてしょうがないからさ」
ロンはさもあらんという様子で答えた。