第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
ダンブルドアに言われて灰を見つめる。
すると小さなくしゃくしゃとした雛が灰の中から頭を突き出して出てきた。
「雛が出てきたわ……!」
「ちょうど『燃焼日』にあれの姿を見ることになって、残念じゃったの」
そう言いながらダンブルドアは事務机に腰掛けた。
「あれはいつも実に美しい鳥なんじゃ。羽は見事な赤と金色でな。うっとりするような生き物じゃよ、不死鳥というのは。驚くほどの重い荷を運び、涙には癒しの力があり、ペットとしても忠実なことの上ない」
初めて見た不死鳥に私は感動してしまう。
火に燃えて、再び雛になるなんて今まで見たことの無いものだった。
そのせいで、私とハリーが何故ここに連れてこられたのか忘れてしまっていた。
ダンブルドアを真っ直ぐに見た時である。
バーンという物凄い音と共に、扉が勢いよく開いてハグリッドが飛び込んできたのだ。
「ハグリッド!?」
驚いた私はついハグリッドの名前を叫んだ。
「ハリーとアリアネじゃねえです。ダンブルドア先生。俺とハリーと話してたです。それにアリアネはハリーの後に図書館から出てくるのを見てる。あの子か発見されるほんの数秒前のこってす。先生さま、ハリーとアリアネにはそんな時間はねえです……」
興奮しているハグリッドにダンブルドア先生は何か言おうとするけれど、彼は話し続けた。
私とハリーはにもしていないと言ってくれている事が嬉しくて、泣きそうになってしまう。
「……ハリーとアリアネのはずがねえです。俺は魔法省の前で証言したってようがす……」
「ハグリッド、わしは」
「先生さま、間違ってなさる。俺は知っとるです。ハリーとアリアネは絶対そんな」
「ハグリッド!」
ダンブルドアが大きな声を出して、私とハリーは肩を跳ねさせた。
「わしはハリーとアリアネがみんなを襲ったとは考えておらんよ」
「へッ」
2人で目を見開かせた。
ダンブルドアは私たちを疑っていないとことに、驚いてしまったのだ。
「へい。俺は外で待ってますだ。校長先生」
ハグリッドはきまり悪そうに出ていってしまう。
そして3人だけとなると、ハリーはダンブルドアへと質問した。
「先生、僕とアリアネじゃないとお考えなのですか?」
「私たちがしていないと、思ってくださるんですか?」
「そうじゃよ、ハリー、アリアネ」