第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
「さよう……君たちの組み分けはとくに難しかった。しかし、私が前に言った言葉はいまも変わらない。君たちはスリザリンでうまくやれる可能性がある」
ハリーの表情が変わった。
怒っているような落胆しているようなそんな表情を浮かべて、帽子を押し込むように棚に戻す。
「あなたは間違ってる」
「私とハリーはグリフィンドールよ。スリザリンなんかじゃうまくやっていけない……」
まるで自分に言い聞かせているようだ。
ふと、ゲッゲッという奇妙な鳴き声のような物が聞こえてきた。
扉の裏側に金色の止まり木に、羽が半分むしられたような七面鳥のような鳥がいる。
「鳥……?」
「みたことのない鳥だね」
ハリーと二人で首を傾げる。
鳥は『ゲッゲッ』と鳴きながら邪悪な目付きをしてた。
「病気なのかな?こんなに羽が抜けて……」
「そうかもしれないわ……。でも、なんの病気なのかしら?こんなに羽が抜けてしまうなんて」
「だけどこの鳥、ダンブルドアの鳥なのかな?死んじゃいそうだけど大丈夫なのかな」
今も羽が抜ける鳥に私とハリーは不安になる。
他にも誰もいないこの部屋で、もし鳥が死んでしまえば何か言われるのだろうかと不安になった時だった。
鳥が炎に覆われた。
私とハリーは驚いて思わず叫び声をあげてしまう。
「火!?なんで!?水!?」
「水、どこ!?」
2人で慌てて水を探すけれど、コップもなければ水差しもない。
ワタワタとしていれば、鳥は火の玉になって一声鋭く鳴いたかと思えば跡形もなくなり、灰となってしまった。
「は、灰に……」
「燃え尽きたの?嘘、どうしましょうハリー」
「どうしよう……」
その時、校長室のドアが開いた。
陰鬱な顔をしたダンブルドアが私たちに顔を見せる。
「先生。先生の鳥が、僕たち、なにもできなくて……急に火がついたんです」
「そしたら鳥が灰に……」
怒られるのだろうか、罵倒されるのだろうか。
そう思っていればダンブルドアは何故か微笑んでいた。
「そらそろだったのじゃ。あれはこのごろ惨めな様子だったのでな、早くすませてしまうようにと、何度も言い聞かせておったんじゃ」
「……え?」
「ハリー、アリアネ。フォークスは不死鳥なんじゃよ。死ぬ時が来ると炎となって燃え上がる。そして灰の中から蘇るのじゃ。見てごらん……」