第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
「でも、ポッターとフリートって、いい人に見えるけど。それに、ほら、彼が『例のあの人』を消したのよ。そんなに悪人であるはずがないわ。どう?」
ハンナの言葉に私は少し嬉しくなった。
だけどアニーはそれに納得していないようで、わけありげに声を落として話す。
「ポッターとフリートが『例のあの人』に襲われてもどうやって生き残ったのか、誰も知らないんだ。つまり、事が起きこった時、ポッターとフリートはほんの赤ん坊だった。木っ端微塵に吹き飛ばされて当然さ。それほどの呪いを受けても生き残ることができるのは、本当に協力な『闇の魔法使い』だけだよ」
それはつまり、私とハリーが闇の魔法使いだと言いたいのだろうか。
そう思うとじわりじわりと怒りが湧いてくる。
「だからこそ、『例のあの人』は始めっから彼らを殺したかったんだ。闇の帝王がもう2人いて、競争になるのが嫌だったんだ。ポッターとフリートこなつ、いったいほかにどんな力を隠してるんだろう?」
ハリーがそこで我慢できなくなったのだろう。
大きく咳払いをしてから、本棚の影から出ていき私も慌てて追いかけた。
そしてハリーと私の姿を見たハッフルパフの寮生は、全員が青ざめた顔をする。
「やあ。僕、ジャスティン・フィンチ・フレッチリーを探してるんだけど……」
「あいつになんの用なんだ?」
アニーは震えた声で聞く。
「決闘クラブでのヘビのことなんだけど、ほんとうは何が起こったのか、彼に話したいんだよ」
「僕たちみんなあの場にいたんだ。みんな、何が起こったのか見てた」
「それじゃ、僕とアリアネがはなしかけたあとで、ヘビが退いたのに気づいただろう?」
「僕が見たのは、君たちかま蛇語を話したこと、そしてヘビをジャスティンのほうに追い立てたことだ」
そこでハリーの怒りが爆発した。
「追い立てたりしてない!ヘビはジャスティンをかさりもしなかった!」
「ハリー!落ち着いて!」
「もう少しってところだった。それから、君たちが何か勘ぐってるんだったら、言っとくけど、僕の家系は9代前までさかのぼれる魔女と魔法使いの家系で、僕の血は誰にも負けないくまらい純血で、だから」
「君がどんな血だろうとかまうもんか!なんで僕とアリアネがマグル生まれの者を襲う必要がある?」