第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
だけど、フリート家はロンが言った通りに何人かはパーセルマウスがいたと言われている。
だからこそフリート家は『気味が悪い家』とも言われることもあったとか。
(でも、それは練習したからって言われてる……)
練習してパーセルマウスとなったと聞いた。
でも私は練習なんてしていない、パーセルタングなんて今まで使ったこともない。
「なんで……」
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翌朝のこと。
前夜に降り出した雪が大雪になり、学期最後の『薬草学』は休講になった。
私は暇を持て余したものあり、セブの所にいった。
もちろんパーセルタングについてであり、もし血筋でパーセルタングを使えるとしたら、父さんはどうだったのかを聞くためだ。
「セブ」
地下牢に入り、名前を呼べばセブはゆっくりとした動作で振り返る。
そして私を見るなり、視線は手元へと落とした。
「どうしたのかね」
「父さんは、パーセルマウスだった……?」
そう聞くとセブは首を横に振る。
「だが、お前の祖父はそうだった。パーセルマウスだと聞いている。その血筋でお前はパーセルタングを言えたのかもしれんな」
「ほ、本当に……?本当にそうなのかしら」
私は不安になりながら、セブの傍に寄る。
すると彼は深いため息を吐き出しながら、私の頭を乱雑に撫でた。
「お前をサラザール・スリザリンの子孫だという阿呆達はいる。だが、お前はフリート家の娘だ。フリート家は1000年前から存在している旧い家。お前がサラザール・スリザリンの子孫なはずはないのだ」
「……そう、よね」
「だが、ポッターは分からん。サラザール・スリザリンの子孫なのかもしれませんな」
「ハリーが……でも、ファミリーネームが違うわ」
「ファミリーネームなんぞ、変えることは可能だ」
だけどハリーはサラザール・スリザリンじゃないはず。
証拠はないけれど、そう確信していればセブが私の頭をもう一度撫でた。
「さあ、談話室に戻るか暖かい場所にいろ。また風邪をひいたらどうする」
「……そうね」
背中を押されて、私は地下牢を後にした。
そして談話室へと戻る最中、私はこそこそと囁かれていて眉間に皺を寄せる。
「あれだろう、ポッターとフリートはサラザール・スリザリンの子孫じゃないかって話だろう?」
「パーセルマウスなんだ。そうでも驚きやしないさ」