第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】
何から食べようかと思っていれば、既に私の目の前にあったお皿には料理が入れられている。
誰が入れたのだろうかと思えば、フレッドだった。
「さあさあ、食べろ食べろ。アリアネ、ホグワーツの料理は凄く美味いぜ」
「ありがとう、フレッド。でもあまり入れすぎないでね?食べきれないわ……」
「フレッド、入れすぎるなよ。アリアネは女性なんだ。お前や僕ら男と同じ量を食べれるわけじゃない」
「それは分からないぜ、パーシー」
「そうだぜ、パーシー。アリアネは甘いものだったら、凄い食べるからな」
「ここには甘いものはないわ……」
取り敢えず、フレッドに入れられたポークチョップを一口サイズにカットしてから口に入れる。
確かに言われた通り凄く美味しくて、色々つまむように食べていく。
「おいしそうですね」
すると、私とハリーの目の前に座るひだ襟服のゴーストか悲しげに声をかけてきた。
そんな彼に私とハリーは思わず目を見合せてから、ハリーが声をかける。
「食べれないの?」
「かれこれ五百年、食べておりません。もちろん食べる必要は無いのですが、でもなつかしくて。まだ自己紹介しておりませんでしたね。ニコラス・ド・ミムジーポーピントン卿と言います。お見知りおきを。グリフィンドール塔に住むゴーストです」
自己紹介をされて、私も自己紹介しようかと思ったときである。
ロンが驚いた顔しながら口を挟んできた。
「僕、君のこと知ってる!兄さんたちから君のこと聞いているよ。『ほとんど首無しニック』だ!」
「ああ……フレッド達が言ってたわね、そういえば」
「むしろ、呼んでいたたぐのであれば、ニコラス・ド・ミムジー……」
そう、ゴーストが改まったように言おうとすれば一人の少年が割って入ってくる。
「ほとんど首無し?どうしてほとんど首無しになれるの?」
「ほら、このとおり」
すると、ニコラス卿は苛立ったように自身の左耳を掴んでから引っ張って見せる。
頭が首からはずれて、蝶番で開くように肩の上に落ちて、驚いてしまう。
聞けば、誰がが首を切ろうとしてやりそこねて、こんな形になってしまったらしい。
だから『ほとんど首無しニック』なのだろうと思っていれば、私たちの驚いた様子に嬉しそうにしたニコラス卿は咳払いをすると話を始めた。