第8章 重大で秘密な日記【秘密の部屋】
2人は呪文が終わり、踊ったり笑い続けるのを辞めた。
その時背後で呪文を唱えるのが聞こえて、私は直ぐに振り向く。
「エクスペリアームス(武器よ去れ)!」
パーキンソンが私へと何か呪文を唱えたらしいが、唱え終わる前に杖を弾く。
「負けたからって背後から狙うのはどうかと思うわよ。パーキンソン?負けて悔しいのかしら?泣いてマルフォイに縋り付きなさい」
「なんですって!貴方なんて、踊りながら笑われるといいのよ!タラントアレグラ(踊れ)!」
「踊るのはあなたの方よ!インぺディメンタ(防げ)!」
呪文を防いでいれば、ロックハートがこちらに走ってくるのが見えた。
どうやら周りでも私たちのように喧嘩をしている子達がいるようで、止めに入っているらしい。
「ヴェンタス(吹き飛べ)!」
パーキンソンは綺麗に吹き飛び、壁に激突した。
頭を打ったのか痛そうに大泣きを始めるもんだから、私は呆れたようにため息を吐き出す。
「これは喧嘩ではなく、決闘クラブですよ!Ms.フリート、やりすぎです!」
「あら、喧嘩なんてしていませんよ。ロックハート先生。襲われそうになったから止めて、少し躾をしただけですもの」
「……なんと!!」
私の言葉にロックハートはギョッとしていた。
パーキンソンは未だに泣き続けているが無視して、ハーマイオニー達の元に向かう。
「さあ、みなさん終わりにしなさい!終わりにしますよ!!非友好的な術の防ぎ方をお教えするほうがいいようですね」
ロックハートがセブをちらりと見ると、彼はロックハートを睨んでいた。
そしてふいっとロックハートから顔を逸らしているので、相当不機嫌なんだなと感じた。
「さて、誰か進んでモデルになる組はありますか?ロングボトムとフィンチ・フレッチリー、どうですか?」
「ロックハート先生、それはまずい。ロングボトムは、簡単極まりない呪文でさえ惨事を引き起こす。フィンチ・フレッチリーの残骸を、マッチ箱に入れて医務室に運び込むのがオチでしょうな」
その言葉にネビルは顔を真っ赤にさせていた。
だけど確かにそうなりそうなので、周りは否定することはない。
「マルフォイとポッターはどうかね?」
セブは口元を歪めて笑っていて、私は目を見開かせた。
何かを企んでいるようなそんな笑いだが、ロックハートはそれに気づかずに『それは名案!』と叫んでいる。