第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
ハリーの言葉にロンは顔を歪ませた。
「スリザリンの連中の欠片が入っるのに?冗談言うなよ」
その時であった。
医務室の扉が勢いよく開くと、泥んこになったグリフィンドールの選手全員がハリーのところにやってきたのである。
試合後にすぐに駆けつけたようで、アリアネは驚いた顔をしながら端に避けた。
「ハリー、超すごい飛び方だったぜ」
「たったいま、マーカス・フリントがマルフォイを怒鳴りつけてるのを見たよ。なんとか言ってたな。スニッチが自分の頭の上にあるのに気がつかなかった、とか。マルフォイのやつ、しゅんとしてたよ」
そして、選手たちはケーキやらお菓子やら、かぼちゃジュースを持ち込んだ。
それはハリーにだけではなく、風邪をひいているアリアネにも渡された。
もちろんフレッドとジョージから。
風邪を引いた彼女に見舞い品だと、彼女の大好きな甘いお菓子ばかりを渡したのである。
そしてパーティでも始まろうとした時、マダム・ポンフリーが鼻息荒くさせながら入ってきた。
「この子たちには休息が執拗なんですよ。骨を33本も再生させるんですから。それにもう1人の子は風邪をひいているんです!悪化したらどうするんですか!出ていきなさい!出なさい!」
❈*❈*❈*❈*❈*❈*❈
ーアリアネ・イリアス・フリートsideー
何時間も過ぎていた。
私は結局熱が上がってしまい、魘されながら眠りについていて、ハリーも骨が生える痛みで苦しんでいる。
その時、隣で眠っているハリーが叫んだのだ。
「やめろ!」
「え、なに……ハリー……」
私は驚いて起き上がると、そこにはなんとドビーがいた。
「「ドビー!」」
屋敷しもべ妖精のドビーがいた。
その大きく丸い目からは涙が溢れていて、私は困惑しながらドビーを見つめる。
「ハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリートは学校に戻ってきてしまった。ドビーめが、ハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリートになんべんも警告したのに。あぁ、なぜあなた様たちはドビーの申し上げたことをお聞き入れにならなかったのですか?汽車に乗り遅れた時、なぜお戻りにならなかったのですか?なぜ、あの時壁をすり抜けることが出来たのですか?」
ハリーと私は目を見開かせた。
なぜ、それを知っているのだろうかと。