第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
アリアネは緩やかな眠りに包まれた。
スネイプは言葉通り、彼女が眠るまでそばに居て、彼女が小さな寝息を立てるの聞いてから立ち上がる。
「お前の両親を私は裏切った……。それをいつか、お前に言えるだろうか」
そう言葉にしてから、スネイプは医務室を後にした。
どこか寂しそうにしながら、そして出ていく前に眠るアリアネを見つめてから……。
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クィディッチ試合当日。
アリアネは土曜日になっても熱が下がらず、クィディッチの試合を見に行くことが出来なかった。
「ハリー、頑張ってちょうだいね!スリザリンなんかに負けないで!」
「もちろんさ。マルフォイなんてコテンパにするから」
試合前にとハリーはアリアネの見舞いに来ていた。
熱はもう微熱ぐらいではあるが、試合なんかを見れば熱が上がるだろうとマダム・ポンフリーから医務室で過ごすように言われたほである。
「僕そろそろ行くね。勝ったら報告するから」
「そうしてちょうだい」
アリアネはハリーを見送り、友人が勝利を報告してくれるのを待つことにした。
だけど友人が次に医務室に尋ねてきたのは、勝利の報告ではなかった。
ハリーは腕の骨を無くして医務室に担ぎ込まれたのである。
「まっすぐにわたしのところに来るべきでした!」
マダム・ポンフリーは憤慨しながら、骨が無くなってしまったハリーの腕を持ち上げた。
その横でアリアネも話を聞いてから憤慨しており、ロックハートに攻撃しに行きそうな勢いである。
そしてマルフォイがブラッジャーに何か細工していた。
そうハーマイオニー達から聞いたアリアネは余計に怒り、次はマルフォイを殺しそうな勢いであり、ロンとハーマイオニーが羽交い締めにする。
「ブラッジャーがハリーを追いかけるように呪いをかけるなんて!許せないわ!!」
「大人しくしなさい、アリアネ!また熱が上がるわ!」
「そうだよ、マルフォイを許せないのは分かるけれど」
「そこの3人、大人しく静かにしなさい!!」
騒いでいるとマダム・ポンフリーからの怒りを買ってしまい、3人は黙りとする。
「骨折ならあっという間に治せますが、骨を元通りに生やすとなると……」
「先生、できますよね?」
「もちろん、できますとも。でも、痛いですよ」