第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
「貴方の顔、どこかで見た事あったと思ったらあの『変人ヘレン』の子供ね!私あの子大っ嫌いだったのよ。ずっと水をかけてやりたくて。ああ!すっきりしたわ!」
そう言いながらマートルは便器へと入り込んだ。
アリアネは突然水をかけられたことと、母を『大っ嫌い』と言われたり変人扱いされた事に腹を立てた。
ローブに手を突っ込み中から杖を取り出そうとして、ロンとハリーに羽交い締めにされる。
「落ち着けよアリアネ!相手はゴーストだ!」
「悪魔祓いでもしてやるわ!母を侮辱したあげく、水なんてかけて!ピーブズと同じだわ!蹴り倒す!」
「ゴーストだから無理だって!」
ギャーギャーと騒ぎながら、3人は慌ててアリアネを連れてトイレから出た。
そしてびしょ濡れとなったアリアネは、すぐに寮へと戻ると着替えることにした。
午後の授業がある為、急いで着替えなければならない。
アリアネはびしょ濡れになったローブと制服や下着を脱いでから、予備のものを身に纏う。
「それより、マートルは貴方のお母様を知っていたのね。でも『変人のヘレン』って……」
「初めて聞いたわ、『変人のヘレン』って。でも許せないわ、母さんをそんなふうに言うなんて……!」
「お怒りはご最もだわ。アリアネ、頭も拭かなきゃ、びしょ濡れよ」
ハーマイオニーはタオルを手にすると、彼女の頭を拭ってあげる。
髪の毛の水分を取りながらも、時計をちらりと見上げて愕然としてしまう。
「アリアネ、急がないと!もう午後の授業が始まっちゃうわ!」
「嘘でしょう!?ああ、もう……!髪の毛を乾かす暇もないわ……!濡れたまま行くしかないわね!」
バタバタと慌ただしく2人ば女子寮の寝室から飛び出ると螺旋階段を降りていく。
そしてアリアネは濡れた髪が鬱陶しくて、ゴムで1つ結びをしていた。
だがそれが良くなかった……。
「ごほっ!ごほっ!!」
翌朝、アリアネは風邪をひいた。
熱は高熱とも言えるぐらいのものであり、朝にハーマイオニーが気づいて急いで医務室に駆け込んだ。
「あの時、髪の毛を乾かさなかったせいよ」
「そうね、乾かせば良かったわ……」
昨日、濡れた髪の毛のままアリアネは授業を受けていた。
その後に濡れた髪の毛に気がついたマクゴナガルが、魔法で乾かしてくれたが結局風邪をひいた。