第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
「それよりよ!」
ハーマイオニーが声を出した。
「いったい何者かしら。出来損ないのスクイブや、マグル出身の子をホグワーツから追い出したいと願ってるのは誰?」
「それでは考えてみましょう」
ロンはわざとらしい口調をしながらそう言った。
「我々の知っている中で、マグル生まれはくずだ、と思っている人物は誰でしょう?」
ロンはちらりとハーマイオニーへと視線を向けた。
そこでハーマイオニーは誰かを思い浮かべたのか、はっとしながらロンを見る。
「もしかして、あなた、マルフォイのこと言ってるの?」
「モチのロンさ!」
「マルフォイ?マルフォイがやりそうかしら……」
「何言ってるんだよアリアネ。あいつが言ったことを聞いたろう?『次はおまえたちだぞ、『穢れた血』め!』って。しっかりしろよ。あいつの腐ったネズミ顔を見ただけで、あいつだってわかりそうなもんだろう」
「マルフォイが、スリザリンの継承者?」
ハーマイオニーとアリアネは疑わしそうにしていた。
本当にマルフォイが、スクラブやマグル生まれの生徒たちを追い出そうとしているのか、そしてスリザリンの継承者なのかと。
「あいつの家族を見てくれよ。あの家系は全部スリザリン出身だ。あいつ、いつもそれを自慢してる。あいつならスリザリンの末裔だっておかしくはない。あいつの父親もどこから見ても悪玉だよ」
「まあ、たしかにそうね……。あの家系はほとんどスリザリンだし両親もスリザリンだものね」
「だろう?あいつから、何世紀も『秘密の部屋』の鍵を預かっていたかもしれない。親から子へ代々伝えて……」
「そうね。その可能性はあると思うわ」
アリアネもハーマイオニーも『たしかに』という表情へと変わる。
そう言われるとマルフォイがスリザリンの継承者だと言われてもおかしくはない。
だかそうだという証拠がなく、ハリーがそれについて聞いた。
「でも、どうやって証明する?」
「方法がないことはないわ」
ちらりとハーマイオニーは部屋の向こうにいるパーシーを盗み見する。
「もちろん、難しいの。それに危険だわ。とっても。学校の規則をざっと50は破ることになるわね」
「後1ヶ月ぐらいして、もし君が説明してもいいというお気持ちにおなりになったら、その時は僕たちにご連絡くださいませ、だ」
「承知しました、だ」