第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
するとパーシーはアリアネへと視線を向けた。
「アリアネも、首を突っ込むな。去年みたいに君が怪我をすれば困るんだ。君は預かっている子なんだから、何かあれば君の亡くなったご両親や預けてきた名付け親の人にも申し訳がたたないんだ!」
「わ、分かってるわよ……パーシー」
そう言われるとアリアネは何も言えない。
自分の身に何かあれば、モリーたちにも迷惑がかかるし名付け親にも迷惑がかかるかもしれないのだから。
するとそれを聞いていたロンが怒った。
「兄さんはジニーとアリアネのことを心配してるんじゃない。兄さんが心配しているのは、首席になるチャンスを、僕が台無しにするってことなんだ」
耳を真っ赤にしながらロンが叫び、3人は目を見開かせたいればパーシーも叫んだ。
「グリフィンドール、5点減点!これでお前には良い薬になるだろう。探偵ごっこはもうやめにしろ。さもないとママに手紙を書くぞ!アリアネも名付け親に手紙を出されたくなかったら、大人しくしてるんだ!」
パーシーはそう叫ぶと大股で去った。
アリアネはパーシーの言葉にかなり落ち込んでいるようで、肩を落としている。
「気にするなよアリアネ!パーシーはすぐにああやって君を脅すのが癖になってるんだ。君に名付け親のことを言えばなんでも言うことを聞くと思って!」
「そうなの?」
「私ってほら、元々名付け親と一緒に生活していたでしょう?あの人がわたしの親のようなものだから、あの人に迷惑はかけられなくて……」
もし、手紙を出して自分が危険なことをしていると知ればどんなに心配するだろうか。
アリアネはそう考えると申し訳ない気持ちになってしまい、いつも落ち込むのだ。
だからパーシーは彼女を叱る時は名付け親のことを口にする。
ロンはそれに怒っていた。
今日はパーシーのせいで機嫌が悪いのもあるが、ああすればアリアネが落ち込むのを知っているのに、使うパーシーが許せないと。
「はあ……」
「そう落ち込まないのよ、アリアネ。パーシーはああ言ってたけど、本気で手紙を出そうだなんてしないわよ」
「そうだといいんだけれど……」
アリアネは落ち込み、ロンは不機嫌。
そんな様子にハーマイオニーは困った顔をしながらも、アリアネを何とか元気づけようとしていた。