第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
ハーマイオニーとアリアネは男の子2人に静かにすふように伝えてから1番奥の小部屋の方へと歩く。
そしてハーマイオニーとアリアネが声をかけた。
「こんにちは、マートル。お元気?」
「お久しぶりね、マートル」
アリアネは前に1度だけマートルと話したことがある。
ここに嘆きのマートルが居るとは知らずに使用して、ばっちりと遭遇したのだ。
特になにかされた訳じゃないが少し彼女に嫌味を言われたことがあるぐらいだ。
嘆きのマートルはトイレの水槽の上でふわふわと浮遊している。
そしてハリーとロンを見てから胡散臭そうにした。
「ここは女子トイレよ。この人たち、女じゃないわ」
「ええ、そうね。私たち、この人たちに、ちょっと見せたかったの。つまり、えーと、ここが素敵なとこだってね」
「興味があったみたいだから、ちょっと案内してあげようと思ったのよ、マートル」
素敵な場所とは言い難い場所ではあるが、2人はそうやってマートルを誤魔化した。
するとハリーがアリアネとハーマイオニーに耳打ちをする。
「何か見なかったかって、聞いてみて」
それを見逃さなかったマートルがハリーをじっと見た。
「なにをこそこそしてるの?」
「何でもないよ。僕たち聞きたいことが……」
「みんな、わたしの陰口を言うのはやめて欲しいの。わたし、たしかに死んでるけど、感情はちゃんとあるのよ」
「マートル!私たちはあなたの陰口を言ったわけじゃないのよ!」
急いでアリアネは首を横に振った。
そしてハーマイオニーも続いて否定する。
「そうよ、マートル。だーれもあなたの気持ちを傷つけようなんて思ってないわ。ハリーはただ……」
「傷つけようと思ってないですって!ご冗談でしょう!」
マートルは2人の言葉を無視して喚いてしまう。
「わたしの生きてる間の人生って、この学校で、悲惨そのものだった。今度はみんなが、死んだわたしの人生を台無しにしてやってくるのよ!」
「違うわ、マートル。そんな事しようとしてないのよ私たち。聞きたいことがあったのよ」
「ええ、アリアネの言う通りなのよ。あなたが近頃何かおかしいものを見なかったかどうか、それを聞きたかったの。ちょうどあなたの玄関のドアの外で、ハロウィーンの日に、猫が襲われたものだから」