• テキストサイズ

シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】


ボソリとアリアネが呟く。
するとハリーとロンもなるほどという表情を浮かべていた。

「信頼出来る歴史的資料はそこまでしか語ってくれんのであります。しかしこうした真摯な事実が、『秘密の部屋』という空想の伝説により、曖昧なものになっておる。スリザリンがこの城に、他の創設者には全く知られていない、隠された部屋を作ったという話がある」

スリザリンにより作り出された『秘密の部屋』。
その事実にアリアネは目を見開かせながら、無意識的に羊皮紙にメモを取る。

「その伝説によれば、スリザリンは『秘密の部屋』を密封し、この学校に彼の真の継承者が現れる時まで、何人もその部屋を開けることができないようにしたという。その継承者のみが『秘密の部屋』の封印を解き、その中の恐怖を解き放ち、それを用いてこの学校から魔法を学ぶに相応しいからざる者を追放するという」

ビンズが語り終えると、沈黙が流れ出す。
皆がビンズを見つめており、いつもなら居眠りをしているはずの生徒たちに見つめられているビンズは困惑してしまう。

「もちろん、すべては戯言であります。当然ならが、そのような部屋の証を求め、最高の学識ある魔女や魔法使いが、何度もこの学校を探索したのでありますが、そのようなものは存在しなかったのであります。騙されやすい者を怖がらせる作り話であります」

その言葉の後に、ハーマイオニーが手を挙げる。

「先生、『秘密の部屋の中の恐怖』というのは具体的にどういうことですか?」
「何らかの怪物だと信じられており、スリザリンの継承者のみが、それを操ることができるという。言っておきましょう。そんなものは存在しない。『部屋』などない、したがって怪物はおらん」

ビンズはぴしゃりと言い放つ。
どうもビンズは秘密の部屋については信じていないようだとアリアネは確信した。
だが生徒たちはそうじゃない。

「でも、先生。もし『部屋』がスリザリンの継承者によってのみ開けられるなら、ほかの誰も、それを見つける事はできない、そうでしょう?」
「ナンセンス。オッフラハーティ君。歴代のホグワーツ校長、女校長先生方が、何も発見しなかったのだからして」

その言葉を遮るようにらパーバディが甲高い声を出した。

「でも、ビンズ先生。そこを開けるのには、闇の魔術を使わないといけないのでは」
/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp