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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】


ロンは時計を見ながら絶望的な声を出し、2人に懇願するけれど2人は首を横に振るだけ。
見せないという2人にロンは更に絶望的になってしまう。

「だめ。見せられない」
「見せないわよ、ロン。自分の力で書かないとなんの意味も無いわよ」
「そうよ。それに、提出まで10日もあったじゃない」

厳しい2人にロンは不貞腐れるかのような表情を浮かべた。

「あとたった6センチなんだけどなぁ。いいよ、いいよ」

すると授業の始まりを知らせるベルが鳴る。
ロンとハーマイオニーは先に立ち上がり、2人で相変わらずの口喧嘩をしながら歩いていってしまう。
そしてハリーとアリアネも遅れながら立ち上がると、2人にため息を吐き出しながら歩いた。

魔法史はハリーとロンにとっては退屈な授業。
だがアリアネにとっては面白い授業の1つであった。
何せ講師はゴーストであり、魔法について詳しくなりたいアリアネにとって魔法史はとても有難い授業だ。

「相変わらず、ハリーとロンは寝そうね」
「ちゃんと授業を受ければいいのに……」

するとハーマイオニーが手を挙げた。
すると魔法史の講師であるビンズ先生は少し驚いた表情を浮かべる。

「Ms……あー?」
「グレンジャーです。先生、『秘密の部屋』について何か教えていただけませんか」

その言葉に眠たげにしていた生徒たちは目を開け、真っ直ぐに先生を見つめる。

「わたしが教えるのは『魔法史』です。事実を教えとるのであり、Ms.グレンジャー、神話や伝説ではないんであります」

咳払いをしたビンズは授業を続けようとした。

「同じ年の9月、サルジニア魔法使いの小委員会で……」

だけどまたハーマイオニーが手をあげる。

「Ms.グランド?」
「先生、お願いです。伝説というのは、必ず事実に基づいているのではありませんか?」

するとアリアネも手をあげた。
その光景にビンズは目をぱちくりとさせる。

「えー、Ms.フリート」
「先生は『魔法史』、つまり歴史についてはお詳しいはず。それなのにホグワーツの歴史として語られている『秘密の部屋』をご存知ないというのはありませんよね?」

まるで煽るかのような言葉にビンズは驚きを顕にさせていた。

「ふむ。然り、そんなふうにも言えましょう。たぶん。そしてわたしは『秘密の部屋』について知っています」
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