第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
ハリーは巻尺を無造作に掴みながらロンに聞く。
「どっかあの辺だよ。また別の本を探してる。あいつ、クリスマスまで図書室中の本を全部読んでしまうつもりじゃないか」
「ハーマイオニーなら読みそうね。それよりハリー、この間、ジャスティンに逃げられてなかった?」
「ああ、そうだよ。何故か急に逃げられたんだ」
アリアネの言葉にハリーは頷く。
この間、ジャスティン・フィンチ・フレッチリーという、薬草学にて一緒に授業を受けた子がハリーを見て逃げていたのである。
それをアリアネは遠くからではあったが、バッチリと見ていて首を捻っていた。
「なんでそんなこと気にするんだい。僕、あいつ、ちょっと間抜けだって思ってたよ」
「間抜け?どうしてなの?」
「だってロックハートが偉大とか、バカバカしいことを言ってたじゃないか……」
やがて、ハーマイオニーが書棚と書棚の間から顔を覗かせる。
どこかイライラしている雰囲気であり、3人は声をかけずに黙っていた。
やがて、ハーマイオニーはやっと口を開く。
「『ホグワーツの歴史』が全部貸し出しされてるの。しかも、あと2週間は予約でいっぱい。私のを家に置いてこなけりゃよかった。残念。でも、ロックハートの本でいっぱいだったから、トランクに入りきらなかったの」
「そういえば、私も前に図書館に『ホグワーツの歴史』を借りようとして借りれられなかったわ。全部無くて、しかも予約いっぱい」
2人の話を聞いていたハリーは不思議そうに聞く。
「どうしてその本がほしいの?」
「みんなが借りたがっている理由と同じよ。『秘密の部屋』の伝説を調べたいの」
「だからみんな、『ホグワーツの歴史』についての本を借りているのよ」
アリアネも借りようとしたけれど、貸し出しされていたのと予約がいっぱいで借りることか出来なかった。
そのことでセドリックと『残念だね』と言い合っていたのがつい先日のこと。
秘密の部屋について皆が知りたがっている。
それはハーマイオニーも一緒だったようで、ハーマイオニーとアリアネはいつ本が借りられるだろうかと話していた。
「それ、なんなの?」
「まさに、その疑問よ。それがどうしても思い出せないの。しかもほかのどの本にも書いてないの」
「ハーマイオニー、アリアネ。君たちの作文見せて」