第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
その後、アリアネは図書館へと向かっていた。
理由は図書館で『秘密の部屋』についての本があるかどうかを調べるため。
ホグワーツの歴史について何か書かれているかもしれないと思い、図書館へと向かっていたのである。
「やあ、アリアネ。図書館に行くのかい?」
ふと、知っている声に話しかけられた。
アリアネは笑を浮かべて振り返り、頷いてから挨拶をした。
「こんにちは、セドリック」
「こんにちは。実は僕も図書館に行こうと思っていたんだよ。一緒にどうだい?」
「せっかくだから、一緒に行くわ。もしかしてセドリックも『秘密の部屋』について?」
「そうだよ。やっぱり気になるからね」
セドリックは相変わらずの爽やかな笑みを浮かべながら、アリアネの歩幅に合わせて歩いていた。
「そういえば君、やっぱりフレッドと付き合っていないのかい?」
「フレッドと?いいえ、付き合ってないわよ」
キョトンとしたアリアネを見て、セドリックは悩ましそうに顎を撫でていた。
「君たち距離が近いから、付き合っているのかと思ってしまうよ」
「そうね、距離は近いわね。私とフレッド、小さい頃から一緒にいるものだから近いのかもしれないわね」
「幼なじみってやつかい?」
「そうよ」
「ふーん。それなら、僕もチャンスはあるね」
にこりと笑いながらそう言うセドリックにアリアネは眉を寄せた。
「冗談はやめてちょうだい」
「冗談じゃないさ。君のような綺麗な子とお付き合いしたいと願うのは、男のサガだと思うよ」
「セドリックなら、女の子は選び放題でしょうね」
「そんなことはないよ」
そんな話をしながら2人は図書館へと足を踏み入れた。
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「まさか。まだ20cmも足りないなんて……」
ハリー、アリアネ、ロン、ハーマイオニーは図書館の奥で『魔法史』の宿題の長さを測りながらレポートを行っていた。
ビンズ先生から宿題を出されており、内容は『中世におけるヨーロッパ魔法使い会議』について、1メートルの長さの作文を書くこと。
「私はあとちょっとね……」
「もうそんなに書いてるのかい!?凄いなあ。ハーマイオニーなんか、もう1メートル40cmも書いてたんだぜ。しかも細かい字で」
「ハーマイオニーはどこ?」