第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
「早くベッドに行かなきゃ。スネイプがやってきて、別なことで僕たちを嵌めないうちにね」
そうして私たちはグリフィンドールの談話室に戻ったが、やはりあの話でもちきりだった。
だけど中には猫をあんな姿で見てショックを受けている人も少なからずいる。
そしてやはり『秘密の部屋』の話がもちきりだった。
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ーthird person singularー
それから数日はミセス・ノリスの話と、秘密の部屋の話題で生徒たちは騒いでいる。
フィルチは壁を文字を消そうとしたり、そこを通りがかった生徒がいれば『音をたてて息をした』や『うれしそうだった』と難癖を付けて処罰しようとしていた。
だがアリアネとロンはそれどころじゃなかった。
ジニーがミセス・ノリスの件で相当なショックを受けていたから。
ジニーは無類の猫好きだから。
「ジニー、そんなに悲しまないで。ミセス・ノリスは大丈夫よ」
「そうだよ。でも、ミセス・ノリスの本性を知らないからだよ。はっきり言って、あんなのはいないほうがどんなにせいせいするか」
「ロン、今言うことじゃないでしょう」
「うっ……ごめん」
アリアネに睨ませたロンは謝りながらも、ジニーの背中を擦りながら慰めてあげていた。
「こんなこと、ホグワーツでしょっちゅう起こりはしないから大丈夫」
「そうよ。ホグワーツは安全な場所なのよ、普段は」
「そうそう。あんなことしたへんてこりん野郎は、学校があっという間に捕まえて、ここからつまみ出してくれるよ。できれば放り出される前に、ちょいとフィルチを石にしてくれりゃいいんだけど。ア、冗談、冗談」
「ロン!いい加減にしなさい!!」
「……ごめんなさい」
ジニーが真っ青になった為、ロンは慌てて冗談と言ったがアリアネにたっぷりと説教をされてしまった。
アリアネはあれ以来、かなり考え込んでいた。
石になったミセス・ノリスを見つける前に聞いた、凍るようなあの声のことで。
ロックハートの所でハリーが聞いた時は自分は聞こえていなかったのにと。
「どうして私は急に聞こえるようになったのかしら……」
「僕もそれは気になるよ。でもあの時、君は僕に触れてから聞こえるようになったよね?」
「そうね……。貴方の額に触れてからよ」
「……謎だね」
「そうね……」