第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
話が通じない。
本気で殺されるかもしれないと思った私は、ローブの中から杖を取り出した。
それをフィルチに向けたときである。
「アーガス!」
ダンブルドアが数人の先生と共にやってきた。
そして私たちの脇を通り抜けてから、ミセス・ノリスわ松明の腕木から外す。
「アーガス、一緒に来なさい。Mr.ポッター、Mr.ウィーズリー、Ms.グレンジャー、Ms.フリート。君たちもおいで。Ms.フリートは杖を収めなさい」
ダンブルドアが来たせいなのか、フィルチは少しだけ落ち着いていた。
私はもう危険じゃないと判断してから杖を収めて、ダンブルドアの手にいる固まったミセス・ノリスへと視線を向ける。
すると、ロックハートがダンブルドアに声をかけていた。
「校長先生、私の部屋が1番近いです。すぐ上です、どうぞご自由に」
「ありがとう、ギルデロイ」
そうして私たちはダンブルドアについていき、ロックハートの部屋へと向かうのだった。
ロックハートの部屋に来たのは私たちだけじゃない、マクゴナガル先生とセブもいる。
ロックハートの部屋に来てから、私たちはぐったりと椅子に座りこんでいた。
そしてダンブルドアがミセス・ノリスを見ているのをただ見つめている。
(ミセス・ノリスはなんであんなことに……?)
そう思っていると、ロックハートが言葉を発した。
「猫を殺したのは、呪いに違いありません。たぶん『異形変身拷問』の呪いでしょう。何度も見たことがありますよ。私がそのばに居合わせなかったのは、まことに残念。猫を救う、ぴったりの反対呪文を知っていましたのに……」
ロックハートの話の合いの手は、しゃくを上げているフィルチだった。
フィルチは大嫌いだけれど、流石に今回のは少し同情してしまう。
ダンブルドアというと、何か呟きながら杖でミセス・ノリスを叩いていた。
「アーガス、猫は死んでおらんよ」
「死んでない?それじゃ、どうしてこんなに、こんなに固まって、冷たくなって?」
「石になっただけじゃ」
ミセス・ノリスが死んでないことに少しだけ安堵する。
「ただし、どうしてそうなったのか、わしには答えられん……」
「あいつに聞いてくれ!あいつらに!」
フィルチが私とハリーを見てきた。
「私とハリーは何もしていません!」
「ああ、そうじゃ。2年生がこんなことをできるはずがない」