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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】



秘密の部屋は開かれたり
継承者の敵よ、気をつけよ

その文字を読んでから眉間に皺を寄せる。
秘密の部屋とはなんだろうと、継承者の敵とはなんだと首を捻った。

「どういう意味……?」

そう呟いてから文字を眺める。
するとロンが声を震えさせながら呟いた。

「なんだろう……下にぶら下がっているのは?」

確かに何かがぶら下がっているが、暗くてよく見えない。
私たちはゆっくりと文字に近づいていき、暗い影に目を凝らして直ぐに何がぶら下がっているのか分かった。

管理人・フィルチの飼い猫のミセス・ノリスだ。
松明の腕木に尻尾が絡まるようにぶら下げられていて、硬直していて目は開いたまま。

「……酷い、何があったの」
「ここを離れよう」
「助けてあげるべきじゃないかな……」
「僕の言う通りにして。ここにいるところを見られない方がいい」

だけど遅かった。
大広間から出てきた生徒たちがこちらにやってきたのである。
そしてぶら下がる猫を見てから沈黙が流れていて、私たちは廊下の真ん中にぽつんと取り残されていた。

未だに沈黙が流れている。
皆、恐怖や好奇心で黙りながらもミセス・ノリスを見上げていた。
だけれど、不愉快な声がその静寂を破る。

「継承者の敵よ、気をつけよ!次はおまえたちの番だぞ、『穢れた血』め!」

マルフォイが人垣を押しのけてから、ぶら下がったミセス・ノリスをニヤリと笑いながらみて叫んだ。

「なんだ、なんだ、何事だ?」

大声が聞こえて誘われたのだろう。
フィルチがやってきたが、ぶら下がったミセス・ノリスを見た瞬間叫んだ。

「わたしの猫だ!わたしの猫だ!ミセス・ノリスに何が起こったというんだ?」

金切り声で叫んだフィルチはの飛び出した目が、ハリーを見た。
その瞬間凄い勢いでハリーに掴みかかったのである。

「おまえだな!おまえだ!おまえがわたしの猫を殺したんだ!あの子を殺したのはおまえだ!」
「ハリーじゃないわ!ハリーは猫を殺してないわ!」

ハリーは驚いて固まっていて、私が思わずフィルチとの間に割って入る。
だけれど発狂しているフィルチは私の声なんて聞こえていなくて、ただ『殺してやる』と叫んでいた。

「いいや!アイツが殺したんだ、それかおまえか!?おまえも殺したんだな!俺がおまえたちを殺してやる!殺してやる!!」
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