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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】


「Trick or Treat?お姫様」
「ひゃっ……!?」

ふぅーと耳に息を吹きかけられた、思わずその場で飛び上がってしまった。
耳を抑えながら振り返ればシーツを被ったおばけがそこにいたけれど、声で誰かなのは気づいている。

「フレッド!」
「ピンポーン、大正解。そんなお姫様には特別にお菓子をあげよう!」

シーツを外したフレッドは、ポケットから透明な袋に入ったクッキーを取りだす。
そしてそれを私の手の上に落としてから笑った。

「1人でなにやってんだ?ハリー達は?」
「ハリー達は首無しニックのパーティよ」
「ああ、首無しニックの。さて、お姫様、今日が何の日かおわかりで?」
「……ハロウィーンよ?」

するとフレッドは私の目の前に手を差し出した。

「Trick or Treat」
「…………私、お菓子は貰ったけれど貴方にあげれるものがないわ」

飴はセブに貰ったのはあるけれど、貰ったものをあげふのは流石にと思って渡せない。
だからといって、先程フレッドに渡されたクッキーを渡すのもどうかと思う。

渡すお菓子がない。
そう思っていれば、フレッドがニタリと微笑んだのが見えた。

「お菓子がない、それは残念、残念!じゃあ悪戯だ」
「え……!?」
「当たり前だろう?お菓子が無ければ悪戯をするのは、ハロウィーンの決まりだ。じゃあ、早速……」

フレッドは私の腕を手に取ると、そのまま引き寄せてからその胸に抱き寄せてくる。
鼻にフレッドのローブが触れて少し擽ったくて身を捩りるけれど、それを許さないと言わんばかりにフレッドは強く抱き締めてきた。

「ふ、フレッド……?」
「悪戯するから、いい子に」

項に指が這わされる。
それにピクッと身体を跳ねさせていれば、耳元でフレッドが笑ったのが聞こえた。

「ん……」

擽ったい。
そう思っていれば、うなじに何か熱くて柔らかい物が触れたのを感じた。
それが唇だというのに気づくのはそう遅くなかった。

「ふ、フレッド……!?」

チロリとうなじを舐められて体が跳ねた。

「ひゃっ……!」
「ん、可愛い声聞けたし悪戯終了かな」
「な、なな、なにするのよ……!」

勢いよく身体を離せばフレッドは可笑しそうに笑っていた。

「悪戯だよ、悪戯。でもあまり油断しないようにな、男に悪戯される時は」
「次からそうするわよ!もう!!」
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