第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
笑い転げているスリザリンへとアリアネはとうとう堪忍袋の緒が切れる。
ローブへと手を突っ込むと、杖を取り出してから笑い転げているフリントへと杖を向けたのだ。
「そんなにおかしいなら、貴方たちもロンのようにしてあげましょうか?私、とっても呪文学は優秀なの。ロンよりもっと酷いことにしてあげれるわよ」
いつも以上に低い声のアリアネに、フレッドとジョージは『触る神に祟りなし』と言わんばかりに近づこうとしない。
そしてスリザリン・チームは彼女の言葉にギョッとして、杖を向けられていることに青ざめる。
フリート家は呪文学が得意なのは有名。
どんな呪いも難なく相手にかけられるし、何より敵だと判断したものへの慈悲がないことで有名だった。
その話を知っているスリザリン・チームは固まって動けない。
「ハグリッドの所に連れていこう。1番近いし。行こう、アリアネ」
「そうね、行くわ。こんな連中を相手にしてるとこちらがバカになりそうだわ」
3人でロンを支えながら、ハグリッドの元に向かうことなり、ロンは未だに気持ち悪そうに顔色を悪くさせていた。
そんな時、遠くから見ていたコリンがハリーへと声をかけてくる。
「ハリー、どうしたの?ねえ、どうしたの?病気なの?でも君なら治せるよね?」
するとロンがゲボッとナメクジを吐いた。
それを見たコリンは『おわぁー』と言いながらカメラを構える。
「ハリー、動かないように押さえててくれる?」
「コリン、そこをどいて!」
「今はコリンに構っている暇は無いの!そこをどいてちょうだい!」
アリアネとハーマイオニーはコリンを叱りつけると、ハリーと共にロンを抱えて歩き出した。
やがて森番の小屋が見えてきて、ハーマイオニーがロンへと声をかける。
「もうすぐよ、ロン。すぐ楽になるから……もうすぐそこだから……」
あともう少しで着く。
そう思った時、小屋の扉が開いて中からはハグリッドではなくロックハートが出てきた。
ロックハートの姿を見た瞬間、アリアネは『なんであなたが居るのよ』と苛立つ。
「ロックハートに見つかったら厄介よ」
「そうだね。早く、こっちに隠れて」
ハリーは小さく囁くと、ロンを脇の茂みへと引っ張る。
ハーマイオニーは渋々と従って一緒に茂みの中に隠れていた。
「やり方さえわかっていれば簡単なことですよ」