第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
「いや、ここは僕が予約したんだ!僕が予約したんだぞ!」
「ヘン。こっちにはスネイプ先生が、特別にサインしてくれたメモがあるぞ。『私、スネイプ教授は、本日クィディッチ・ピッチにおいて、新人シーカーを教育する必要があるため、スリザリン・チームが練習することを許可する』」
「新しいシーカーだって?どこに?」
すると、目の前にいる大きなスリザリン寮生の後ろから、比べると小さな寮生が現れた。
その寮生にハリーもアリアネとロンにハーマイオニーたちも目を見開かせる。
ドラコ・マルフォイがいた。
彼の登場にアリアネの機嫌が急降下するのを、ロンは感じたが彼も不機嫌そうに顔を歪ませる。
「ルシウス・マルフォイの息子じゃないか」
フレッドは嫌悪感を剥き出しにしていた。
「ドラコの父親を持ち出すとは、偶然の一致だな」
「その方がスリザリン・チームにくださった、ありがたい贈り物を見せてらろうじゃないか」
すると、スリザリンのクィディッチ選手たちは自分たちの箒を突き出す。
真新しい箒はピカピカと光っている。
「あれ、最新型だ!」
ロンが箒を見て叫んだ。
「あれ、『ニンバス2001』だ」
「……ハリーのより最新型の箒なの?」
「最新型だよ!先月出たばかりの!」
アリアネは目を見開かせた。
何故、そんな新しいのをスリザリン・チーム全員が持っているのだろうかと。
「最新型だ。先月でたばかりさ。旧型2000シリーズに対して相当水をあけるはずだ。旧型のクリーンスイープの対しては」
フリントは旧型を持っているフレッドとジョージを見ると鼻で笑う。
「2001がクリーンに圧勝」
話が聞こえてこないことに、少し苛立つアリアネは立ち上がると芝生へと降りた。
それにロンとハーマイオニーもついて行き、ハリーたちの元に向かう。
「ハリー、どうかしたの?何かトラブル?」
「どうしたんだい?どうして練習しないんだよ。それに、あいつ、こんなところで何をしてるんだい?」
ロンの言葉にマルフォイはニタリと笑った。
「ウィーズリー、僕はスリザリンの新しいシーカーだ。僕の父上が、チーム全員に買ってあげた箒を、みんなで賞賛していたところだよ」
「お金で物を言わせて……」
アリアネは不愉快そうに眉間に皺を寄せながら、マルフォイを睨みつけていた。