第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
スネイプはアリアネが消えた方へと視線をやる。
話し方、表情が彼の友人でありアリアネの両親である2人によく似てきたと思いながら目を細めた。
「吾輩への恋心が冷めたならなにより……」
アリアネが自分自身に恋心を寄せていたのに、スネイプはちゃんと気づいていた。
気づいていてなお、彼女の目の前でハリーに酷く当たったり理不尽に減点したりとしたのだ。
何故、そんなことをしたのか。
スネイプはアリアネに対して後暗い事があり、彼女が自分がどの立場にいたかを知れば……という考えもあった。
「吾輩は、お前の両親を裏切った。そんな気持ちを貰えるような人間ではない。恋心が冷めたようで、何よりだ……」
そう呟くスネイプの声は何処か冷たかった。
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ー土曜日ー
アリアネは今日、ハリーとロンとハーマイオニーの4人でハグリッドの所を訪ねる予定。
だがそうもいかず、ハリーは朝早くからグリフィンドール・クィディッチのチームのキャプンテンのオリバー・ウッドにクィディッチの練習へと連れていかれていた。
「朝早くからなんて大変ねぇ……」
「朝起きたら置き手紙が置いてあるから驚いたよ。土曜日の朝早くからクィディッチの練習だなんて」
「今回はなんとしてでも勝ちたいんでしょうね」
朝食を食べに大広間へと向かっていた3人は、ハリーがクィディッチの練習をしていると知り、驚きながらも朝食を食べに向かっていた。
大広間は既に朝食を食べている生徒で溢れている。
そんな中で、アリアネは朝から『うげぇ』という表情になっていた。
ロックハートが教師達が座るテーブル席に腰掛けているから。
「朝からみたくない顔……」
「君、本当にロックハートが苦手だよな」
「そんな!素晴らしい人じゃない、アリアネ!」
「ハーマイオニー。どんなに素晴らしくても苦手なものは苦手なのよ。そうだ、ハリーは朝ごはん食べてないのよね?差し入れも兼ねて見に行かない?クィディッチの練習を」
アリアネの提案に、2人は頷いて朝食をホグワーツにいるハウスエルフにバケットに朝食を入れてもらった。
そしてバケットを手にしながら、3人は競技場へと急いで向かいスタンドに腰掛ける。
競技場こ芝生にはまだ霧が漂っている。
太陽が少し登り始めてはいるけれど、それでも少しは薄暗い。