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シリウスに導かれ【ハリーポッター❈救済】

第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】




「てことがあったのよ。新しい『闇の魔術に対する防衛術』の授業はそういう形で終わったわ」
「それは哀れで仕方ない」

アリアネは夕食前の薄暗い地下牢で、2日前に起きた『闇の魔術に対する防衛術』についての話をスネイプに聞かせていた。
丁度夕食前にアリアネがスネイプが地下牢に入っていくのを見かけ、追いかけてきたのである。

スネイプは最初はアリアネに『夕食に行け』と言って追い出そうとしたが、彼女は夕食に行かずに勝手に話し出したので諦めた。

「そういえば、ビルに聞いたことがあるわ。『闇の魔術に対する防衛術』の教師は1年とも持たないって。呪いがかけられているなんて話を聞いたわ」
「単なる噂話だ。そのような呪いはない。だがまあ、確かに『闇の魔術に対する防衛術』の講師は1年以上は長続きはしておらんな」

スネイプは薬品を扱いながらも、アリアネの話に相槌を打っていた。

「今年はどのぐらい持つかしらね。持たないなら、次はまともな先生であってほしいわ。そうね、セブが『闇の魔術に対する防衛術』の講師になったら?」
「なれるかどうから分からんが、私が『闇の魔術に対する防衛術』になると1年も持たずにどこかに消えるかもしれんな。それがお望みか?アリアネ」
「そんな事望んでないわよ!!もう!!」

頬を膨らませながら怒る姿にスネイプはため息を吐いた。
この姿は幼い頃から変わらなず、成長していないのではと思いながら宥めるように頭を撫でてやる。

アリアネはこの頭を撫でられるのが好きだ。
恋は冷めてしまっているけれども、撫でられるのは未だに好きである。

「あーあ。セブがハリーに対してもこんなふうにしていれば私の……あれも冷めることもなかったのに」
「あれとはなんだね、あれとは」

つい、口走りそうになったアリアネは口を噛みながら首を横に振った。

「なんでもないわ!」
「そうか。それより早く大広間に行ったらどうだね?夕食を食べ逃すぞ」
「セブは行かないの?」
「後で行く」
「そう、じゃあ先に行ってるわ。愚痴を聞いてくれてありがとう!」

アリアネはそう言うと椅子から立ち上がってから地下牢を駆け上がる。
その後ろ姿を見ながらスネイプは息を吐き出す。

「話し方はどんどんヘレンに似てきたな……」
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