第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ヒソヒソと話していれば、ロックハートが突然ハーマイオニーの名前を呼んだ。
「……ところが、Ms.ハーマイオニー・グレンジャーは、私の密かな大望を知ってましたね。この世界から悪を追い払い、ロックハート・ブランドの整髪剤を売り出すことだとね。よく出来ました!それに、満点です!Ms.ハーマイオニー・グレンジャーはどこにいますか?」
ハーマイオニーはすぐ様に手を挙げた。
「すばらしい!まったくすばらしい!グリフィンドールに10点あげましょう!では、授業ですが……」
アリアネは親友を凝視した。
あの男の何処が良いのだろうと目を見開かせ、驚きながらもロックハートへと視線を向ける。
彼は覆いのかかった大きな籠を机に置いた。
「さあ、気をつけて!魔法界の中でもっとも穢れた生き物と戦う術を授けるのが、私の役目なのです!この教室で君たちは、これまでにない恐ろしい目に遭うことになるでしょう。ただし、私がいるかぎり、何物も君たちに危害を加える事はないと思いたまえ。落ち着いているよう、それだけをお願いしておきましょう」
ロックハートの言葉に全員が息を飲んだ。
どれだけ恐ろしい生き物がその籠に入っているのだろうかと緊張していた。
「どうか、叫ばないようお願いしたい。連中を挑発してしまうかもしれないのでね」
パッとロックハートは覆いを取り払った。
だが全員が唖然としながら、そして何人かは呆れたようにしている。
もちろんアリアネは呆れていた。
「さあ、どうだ。捕らえたばかりのコーンウォール地方のピクシー小妖精」
ついにシェーマスが堪えずに吹き出した。
「どうかしたかね?」
「あの、こいつらが、あの、そんなに危険、なんですか?」
「思い込みはいけません!」
「全然危険には見えないわね。庭小人のほうがまだ危険なんじゃないの?」
アリアネの呟きにハリーとロンは頷いた。
ピクシー小妖精は危険にはまったく見えず、全員が拍子抜けしている状態。
だがロックハートは危険生物を扱うようにしていた。
「連中は厄介で危険な小悪魔になりえますぞ!」
「全然危険な小悪魔に見えないわね」
「その通りだよ。あれの何処が厄介で危険な小悪魔なんだ……?」
ピクシーは悪餓鬼のようにぺちゃくちゃ喋りったり、あっかんべーしたり籠をガタガタと言わせていた。