第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ーthird person singularー
午後のクラスは『闇の魔術に対する防衛術』。
つまりロックハートの授業であり、あの暑苦しいというより鬱陶しい感じを授業でずっと見ることになるなんて·····とアリアネはため息を吐き出していた。
ロックハートはアリアネの苦手な人種。
それなのに授業は苦手な人物の教えるものだなんて、最悪である。
(ハーマイオニーは私と違うみたいね)
ハーマイオニーはロックハートの授業を小さなハートで囲んだいる。
それを見たアリアネは苦笑を浮かべながらも、昼食を終えて中庭に4人で出るのだった。
「ハーマイオニーを見ろよ。『ヴァンパイアとバッチリ船旅』に夢中だ」
「それ、面白いの?ハーマイオニー」
「ええ、面白くてとても勉強になるわよ。アリアネ」
アリアネは肩を竦めながらも、ハリーとロンとクィディッチの試合の話をしていた時である。
「ハリー、元気?僕、僕、コリン・クリービーと言います」
顔を真っ赤にさせながら声をかけてきた少年は、昨夜の組み分け式でグリフィンドールに組み分けされた少年。
彼はハリーに憧れの眼差しを向けながら、口をモゴモゴとさせている。
そんな彼にアリアネは『あらあら』と微笑んだ。
「僕もグリフィンドールです。あの、もし、かまわなかったら、写真を撮ってもいいですか?」
「写真?」
カメラを持ち上げた少年にハリーがオウム返しで聞く。
「僕、あなたに会ったことを証明したいんです」
「だからハリーと写真を撮りたいのね」
「はい。僕、ハリーのことなら何でも知ってます。みんなに聞きました。『例のあの人』があなたを殺そうとしたのに、生き残ったとか……」
コリンは興奮しながら語った。
魔法を信じない父親に写真を撮って送ってあげたい、ハリーと写真を撮りたいと。
懇願するように見つめてくるコリンにハリーは少し困ったようにして、助けを求めるようにアリアネを見ていた。
「じゃあ、私が写真を撮ってあげましょうか?」
「いいんですか!?じゃあ、お願いしたいです。それから、ハリーに写真にサインしてほしいんです」
「ですってよ、ハリー」
「サインだなんて……」
困ったようにしているハリー。
その時、ハリーとアリアネ、そしてロンとハーマイオニーも聞きたくない声が聞こえてきた。