第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ジャスティンは色々話していたけれど、私は興味がなくてほとんど話は聞いてなかった。
「あいつ、すごい話すよな」
「ロックハートのどこがいいのか、私にはさっぱり分からないわ」
「好みじゃないんだ、ロックハート」
「好み?全然好みじゃないわ。ロックハートよりセブ·····スネイプ先生の方がまだいいわね」
私の言葉にロンとハリーは『うげぇ』という顔をする。
「君、やっぱりおかしいよ。僕ならスネイプよりまだロックハートの方がマシだよ。なあ、ハリー」
「そうだよ。あのスネイプのどこがいいんだよ。アリアネ、君はちょっとおかしいよ」
「失礼ね!おかしくなんてないわ!」
それから私たち5人は話す事はなくなった。
耳あてをつけているから声が聞こえないし、マンドレイクに集中しなければいけないから。
マンドレイクは無事に鉢に入れられてたけれど、鉢に入れるまでが大変だった。
マンドレイクは、もがいて蹴って噛み付いたりしそうになるし、尖っている拳を振り上げたりもした。
おかげで皆は汗だくだし土だらけとなった。
「土だらけよ·····汚れたわ」
「アリアネ、頬に土がついてる。そっちじゃないよ、取ってあげるから動かないで」
スプラウト先生の授業が終わり、廊下を歩いて次の授業へと向かっていれば、ハリーが私の頬についている土を払ってくれた。
それを見ていたロンが首を少し傾げながら、私たちを見てくる。
「思ったけどさ、君たちって距離が近い気がする」
「そうかな?」
「そうだよ」
「言っておくけどロン、貴方もアリアネと距離が近い気がするわよ。お互い恋人が出来たら距離感を考えるべきね」
恋人が出来たら。
私はいつか恋人が出来るのだろうかと思いながらも、廊下を歩いていた。
「恋人かあ。ジニーとアリアネに恋人が出来たらビルたちがうるさそうだよ」
「逆にロンに恋人が出来たら、ビルたちは驚いて喜ぶかもしれないわね」
私たちはまだ12歳。
恋人なんて出来るかどうか分からないけれど、大切な友人たち恋人が出来たらお祝いしよう。
そう思いながらも、ロンやハリーとハーマイオニーに恋人が出来たら少し寂しい気もした。
(恋人が出来たら、今の親友同士の関係とかはどうなるのかな。恋人に取られちゃうって思っちゃうのかな)
そう思いながら、私たちは次の授業へと向かうのだった。