第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
スプラウト先生も耳当てを付けてから、ふさふさした植物を1本掴んでから引き抜く。
泣き声は聞こえなかったけれど、その姿に驚いてしまった。
マンドレイクの姿は小さな泥んこになっている赤ちゃんみたいな顔。
声は聞こえないけれど泣いているのが見てわかるぐらいに、顔をしわくちゃにさせていた。
(あれがマンドレイク·····本で見た通りなのね。まるで人間の赤ちゃんだわ)
スプラウト先生は大きな鉢を取り出してから、マンドレイクをその中に突っ込んで埋めてしまった。
そして先生が親指を上に上げたので、耳あてをとる。
「このマンドレイクはまだ苗ですから、泣き声も命取りではありません。しかし、苗でも、みなさんを間違いなく数時間気絶させるでしょう、新学期最初の日を気を失ったまま過ごしたくないでしょうから、耳当ては作業中しっかりと離さないように。後片付けする時間になったら、私からそのように合図します」
耳当てさえすれば問題ないのだろう。
そう思いながらふわふわした苗を見ながら、耳当てを触った。
「1つの苗床に5人、植え替えの鉢はここに十分あります。堆肥の袋はここです。『毒触手草』に気をつけること。歯が生えてきている最中ですから」
もちろん、私はハリーとロンとハーマイオニーと組む。
だけど1人だけいつもと違うメンバーが加わった。
「ジャスティン・フィンチ・フレッチリーです」
ジャスティンはハリーと握手してから、次は私に握手を求めてきた。
「君たちのことは知っています。もちろん。有名なハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリートだもの·····。それに、君はハーマイオニー・グレンジャーでしょう。何やっても1番の。それから、ロン・ウィーズリー。あの空飛ぶ車、君のじゃなかった?」
ロンはにっこりもせずにいた。
「ロックハートって、たいした人ですよね」
私たちがそれぞれ作業をしている中で、ジャスティンはよく話していた。
「ものすごく勇敢な人です。彼の本、読みましたか?僕でしたら、狼男に追い詰められて電話ボックスに逃げ込むような目に遭ったら、恐怖で死んでしまう。ところが彼ときたらクールで、バサッと、素敵だ」
「そうかしら?」
「そうですよ、Ms.フリート。僕、ほら、あのイートン校二行くことが決まってましたけど、こっちの学校にこれで、ほんとうに嬉しい」