第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
封筒の四隅が徐々に煙を上げ始めた。
「開けて」
「開けなさい、ロン。どうせ逃げられないわよ」
「そうだよ。ほんの数分で終わるから·····」
ロンは震える手でエロールの嘴から手紙を取ると、開封した。
そしてネビルは耳に指を突っ込み、私も耳を両手で塞いでいればハーマイオニーも真似していた。
その瞬間手紙が吼えた。
「·····車を盗み出すなんて、退校処分になってもあたりまえです。首を洗って待ってらっしゃい。承知しませんからね。車がなくなっているのを見て、わたしとお父様がどんな思いだったか、おまえはちょっとでも考えたんですか·····」
モリーおばさんの怒鳴り声が、吼えメールによって100倍には拡大されていた。
テーブルやお皿にスプーンはガチャガチャとモリーおばさんの怒鳴り声で揺れている。
吼えメールの声を聞き、周りの生徒たちは『誰が吼えメールを貰ったの?』と辺りを見渡していた。
ロンはというと、縮こまっている。
「·····昨夜ダンブルドアからの手紙が来て、お父様は恥ずかしさのあまりで死んでしまうのでは、と心配しました。こんなことをする子に育てた覚えはありません。おまえもハリーも、まから間違えば死ぬところだった·····。·····まったく愛想が尽きました。お父様は役所で尋問を受けたのですよ。みんなおまえのせいです。今度ちょっとでも規則を破ってごらん。わたしたちがおまえをすぐに家に引っ張って帰ります」
吼えメールはそれだけを叫ぶと、赤く燃えて消えてしまった。
ロンとハリーは顔色悪く、椅子にへばりついている。
「自業自得ね」
「そうね。ま、あなたが何を予想していたは知りませんけど、ロン、あなたは·····」
「当然の報いを受けたって言いたいんだろう」
ハーマイオニーの言葉にロンが噛み付いた。
「ハーマイオニーに八つ当たりしないの、ロン!貴方が馬鹿するからよ!ハリーもよ!」
ペシンと2人の頭を叩くと、2人はムッとした表情をしていた。
「でもまあ、退校にならなくて良かったわね」
「うん·····」
「もう大人しくしなさいよ」
ハリーはかなり落ち込んでいた。
ロンも落ち込んではいるけれど、ハリーの方がかなり落ち込んでいる。
訳を聞けば『あんなにお世話になったのに、2人に迷惑をかけた』と落ち込んだいたのだ。