第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ジョージとフレッドが私を挟む。
そんな2人を睨みつけていれば、フレッドが肩を竦めてみせながら私の頬を突く。
「眉間に皺を寄せたら、可愛い顔が台無しだぜ」
「やめてちょうだい、フレッド」
「更に眉間に皺が寄った。兄弟、お姫様は大層ご機嫌ななめのようだ」
「そのようだ、兄弟。怒られる前に辞めておこうか」
双子に呆れたため息を吐きだしながらも、私はホグワーツでの久しぶりの夜を過ごすのだった·····。
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ー翌日ー
「あら、顔色が悪いじゃない。ロン?」
大広間では朝食が広げられていた。
牛乳入りのオートミール、ニシンの燻製、山のようなトーストにベーコンエッグ。
美味しそうな朝食が並んでいる中で、ロンは顔色が悪い。
「これから来る手紙が怖いんだよ」
「ああ·····確か、マクゴナガル先生たちがモリーおばさんたちに手紙を出したって言っていたわね」
きっと吼えメールが届くだろう。
そう思いながら、トーストにベーコンエッグを載せて齧っていれば頭上に数百羽と言えるだろうふくろうが飛んできていた。
ネビルの所にも届いていて、他の生徒にも小包や手紙やらが届いている時だった。
ハーマイオニーの近くに置いてあった水差しにエロールが落ちてきたのである。
「エロール!」
「ちょっと、エロール、大丈夫なの!?」
ロンと共にエロールの足を掴んで水差しから引きずり出す。
水差しに落ちたせいでエロールはびしょ濡れで、しかも気絶していた。
だけど嘴にはしっかりと濡れた赤い封筒を咥えている。
「大変だ」
「大丈夫よ。まだ生きてるわ」
「そうじゃなくて、あっち」
「やっぱり届いたわね」
真っ赤な吼えメール。
ロンはそれを怖がりながら見ていたけれど、ハリーは普通の手紙じゃないかと言わんばかりの表情。
「どうしたの?」
「ママが、ママったら『吼えメール』を僕によこした」
開けたくなさそうなロンにネビルが忠告する。
「ロン、開けたほうがいいよ。開けないと、もっと酷いことになるよ。僕のばあちゃんも1度僕によこしたことがあるんだけど、ほっておいたら·····ひどかったんだ」
ネビルが息を飲んでいた。
ハリーはネビルの話を聞いてから顔を強ばらせてから、聞いてくる。
「『吼えメール』って何?」
「見ていれば分かるわ、ハリー」