第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
だけど数分とすれば戻ってきたので、もしかしたらハリーとロンが来たのかもしれないと感じた。
その後、私とハーマイオニーは直ぐに大広間を出るとハリーとロンを探す。
「いた!見つけたわ!ハリー、ロン!」
案外早くに2人を見つけられた。
2人は合言葉を知らないせいで、グリフィンドールの寮に戻れずに太った婦人の肖像画の前で固まっていたのである。
「アリアネ、ハーマイオニー」
「やっと見つけた!いったいどこに行ってたの?バカバカしい噂が流れて、誰かが言ってたけど、あなたたちが空飛ぶ車で墜落して退校処分になったって」
「ウン、退校処分にはならなかった」
「信じられないわ!何やっているの2人とも!」
バシンと2人の頭を叩く。
「痛いっ!お説教はやめろよ」
「叩かれる2人が悪いんでしょう」
「それより、新しい合言葉教えてくれよ」
反省している様子のない2人に、私とハーマイオニーはため息を吐いた。
「『ミミダレミツスイ』よ。でも、話を逸らさないで」
「あとでちゃんと話してもらうからね」
私とハーマイオニーは2人に詰め寄る予定だった。
だけど肖像画が開くとそれどころじゃなくなってしまったのである。
肖像画が開いた瞬間、グリフィンドール生たちがワッと拍手をしたのだ、ハリーとロンに。
傾いたテーブルや肘掛イスの上に立って、2人の到着を待っていましたと言わんばかりの拍手。
「やるなぁ!感動的だぜ!なんてご登場だ!車を飛ばして『暴れ柳』に突っ込むなんて、何年も語り草になるぜ!」
「よくやった」
怒るどころか、皆は何故か大歓声。
その様子に私とハーマイオニーは呆れていれば、フレッドとジョージが口を揃えて言った。
「「オイ、なんで、俺たちを呼び戻してくれなかったんだよ?」」
「そうじゃないでしょう·····」
お説教されるべきことをした2人を褒めたり、羨ましいと思うのがおかしい。
私とハーマイオニーはほとほと呆れ返っていれば、ロンとハリーはパーシーが怒りながら歩いてきてるのに気がいて逃げるように螺旋階段へと上がる。
そして私とハーマイオニーを見て挨拶をしてきた。
「おやすみ」
「おやすみなさい。明日、話は聞かせてもらうわよ」
それだけを伝えて2人を見送った。
「そんな怖い顔するなよ、お姫様」
「ニッコリ笑顔じゃないとダメだぞお姫様」