第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
許してくれるだろうか、許してくれないだろうか。
それが怖くて私の身体は自然と震え始めていて、スカートをギュッと握りしめた。
(セブ、怒ってたりするかな·····何度も私、『大っ嫌い』だなんて言ったもの。それに勘違いしてクィレルがやってたことをセブがやったと思っていたし·····)
すると、セブは大きくため息を吐いた。
それにビクッと体を震わせていれば、頭に優しい温もりが乗ったのに気が付く。
それがすぐにセブの手だとわかった。
「お前は、直感ですぐに動くからな·····。怒ると周りが見えずに口走るのは知っている。そう震えずとも、吾輩は最初からお前に怒ってもいない」
乱雑だけども、頭を優しく撫でられる。
しばらくセブは私の頭を撫でてから、軽く叩いた。
「セブ·····」
「謝ったり、怒ったり忙しいやつだな」
私は勢いよく顔を上げると、そのままセブに抱きついた。
「急に抱きつくのではない!」
「セブ大好きよ·····!」
「分かったから離れろ。ミネルバかダンブルドアに見られたら厄介だ·····!」
やっぱり私はセブが大好きだ。
恋愛的な意味じゃなくて、人としてそして秘密の友人のような立場として好き。
「あ、そうだセブ。ハリーとロンのことあまり怒らないであげてね?たぶん、何かトラブルがあったんだと思うから·····」
抱きついたまま、私はセブのローブに顔を埋めてからそう言うとセブが大きくため息を吐いた。
「それは彼奴らが、どう言い訳するかもあるがな·····。それよりも、離れてもらえるかね?アリアネ」
「はあい。それよりも、なんで会いに来なかったの?前はウィーズリー家に来てたのに·····こっそり」
セブから離れると、彼は何度目かのため息を吐いた。
「あれはお前が心配だからいっていただけ。ホグワーツに来るようになったら、行く必要はないと思ったまで。ホグワーツに来れば、お前の顔はいくらでも見れる」
「そう·····でもちょっと寂しいわね。夜の秘密のお話ができる友人のような人が来てくれないの」
私が寂しげにしていれば、セブは顔を歪ませた。
だけど小さく息を吐き出すと、乱暴に私の頭を撫でる。
「暇があれば、休暇中にも会いに行く」
「約束よ!」
「わかったから、早く広間へ行け」
「はあい。ハリーとロンのこと、よろしくね」