第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
「·····教師陣に車のことが伝わらなければいいけれど」
私の望みは勿論簡単に打ち砕かれることになった。
ホグワーツについてすぐに、私は早々にマクゴナガル先生とセブに呼び出しを食らったのである。
「これは、どいうことなのでしょうか。Ms.フリート」
私はマクゴナガル先生とセブに、人気のない部屋に呼び出されていてある新聞を見せられていた。
そこには大きく見出しに飛んでいるあの車が写真に出されていて、そこに小さくハリーとロンが写っている。
「空飛ぶフォード・アングリア、訝るマグル
ロンドンで、2人のマグルが、郵便局のタワーの上を中古のアングリアが飛んでいるのを見られたと断言した·····。
今日昼ごろ、ノーフォークのヘティ・ベイリス夫人は洗濯物を干している時·····ピーブルズのアンガス・フリート氏は警察に通報した·····全部で6、7人のマグルが·····」
セブが記事を読み始めて、私は頭を抱えた。
「これは、どいうことですかな?Ms.フリート」
「私にも、よく分からないんです·····。今朝、ホグワーツ特急に乗る際に2人とも何故かプラットフォームに来なくて·····」
「なるほど、プラットフォームに来なかったのですね」
「その後、置いていく形になって·····それで、何故かこんなことに·····私も色々理由が知りたいです」
私は頭を抱えたまま呟いた。
「スネイプ先生。ホグワーツの中庭や森を探してくださいな。もしかしたらいるかもしれませんから」
「承知しました」
「Ms.フリートは広間に行きなさい。もうすぐで組み分け式が始まりますから」
こうして私は、重たい気持ちのまま広間へと向かう事になった。
空き部屋を出るとそこには歩いているセブの後ろ姿があり、私は走り出してからその背中を追いかける。
「セブ!」
名前を呼ぶと、彼はゆっくりとこちらへと振り返る。
1ヶ月ぶりとも言える彼の表情は相変わらず無愛想で、変わらないことに安堵してしまう。
「どうかされましたかな、Ms.フリート。大嫌いな吾輩に声をかけて」
「····それは本当にごめんなさい。私、色々勘違いしていたわ。貴方を責めて本当にごめんなさい」
私はセブへと頭を下げた。
勘違いしていたとはいえ、私は彼に酷いことを言ってしまったのだ。
それを謝罪したいとずっと思っていた。