第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
「ねえ、アリアネ。ロンとハリーはどうなるの?」
一通り話してからジニーは不安げに聞いてくる。
「分からないわ。とりあえず、ホグワーツに着いたら2人が来てないことを伝えなきゃ行けないわ。でも、もしかしたら2人ともふくろうを飛ばしてホグワーツに伝えてるかもしれないわね」
2人とも無事だといいけれど。
そう思いながら、私たちはホグワーツ特急に揺られた。
ふと、ドビーの『ホグワーツには行ってはいけない』という言葉を思い出してしまう。
もしかしてドビーが何かをしたのかしら。
ふとそう思いついたけれど、ドビーが確実に何かしたという証拠はない。
(ホグワーツに行ったら、もしかしたらハリーたちがいるかもしれないわね)
その時であった。
ホグワーツ特急が勢いよくクラクションの音を鳴らしたのである。
「な、何かしら!?」
「今もの凄い音が聞こえたわよね。クラクション!?」
プラットフォームを出ると、ネビルやパーバディたちがざわついているのが見えた。
「ネビルたち!どうしたの?」
「さっき空飛ぶ車が、ホグワーツ特急の目の前にいたらしいのよ!それでホグワーツ特急がクラクションを鳴らしたの」
「··········空飛ぶ車」
「そうだよ、空飛ぶ車!しかも、その車にハリーとロンが乗っていたように見えたんだ」
クラッと目眩を感じる。
空飛ぶ車と聞いた瞬間、すぐにウィーズリー家の車だと分かった。
しかもロンとハリーが乗っていたということは、どういうことなのだろうと焦る。
アーサーおじさん達は乗っていないだろうか。
モリーおばさんなら、車を飛ばすことは許可しないだろうし、2人しか乗っていなかったのだろうかと焦りに焦り始めた。
「嘘でしょ、パパの車にハリーとロンが乗っていたの·····?」
「え、待って。車ってどいうことなのジニー」
「パパがマグルの車を買い取って、魔法をかけて改造していたのよ。空飛べるようにって」
「もしかして2人とも、ホグワーツ特急に乗れなかったからって無断で乗ってるとかないわよね·····」
私の言葉に2人が黙ってしまう。
ハリーとロンならやりかねないという感じが出ていて、私たちは頭を抱えた。
「マグルに見られたらどうしましょう·····。もしそうなったら、退学よ」
私は頭を抱えながら、コンパートメントに戻って力無く座席に座った。