第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
結局、ハリーとロンは来なかった。
ホグワーツ特急は2人を乗せずに発車してしまい、モリーおばさんとアーサーおじさんは困った顔をしながらも私たちを見送ってくれた。
「なんでハリーたち、来なかったのかしら」
「不思議よね。ホグワーツに行きたくないとかじゃないだろうし」
ジニーと同じコンパートメントに乗りながら、私は胸元からネックレスを取り出す。
もう光は消えているけれど、間違いなく壁をすり抜ける時にネックレスが光っていた。
魔法で攻撃されそうになったのか。
そのせいでハリーたちは来てないのかと思いながら、ネックレスを眺めていた時である。
「アリアネ、ハリーとロンはいないの?」
「ハーマイオニー。そうなの、プラットフォームに来なくて·····あの2人乗っていないのよ」
「乗っていないの!?何故!?」
コンパートメントに来たのはハーマイオニーで、私の言葉に目を見開かせながらも席に座った。
「分からないわ。でも、不思議なのよね。壁をすり抜けた時にネックレスで光っていたり·····」
「·····どんな魔法からも貴方を守ってくれる?」
「そう。壁に魔法をかけられていたのかしらと思って·····それか、その時丁度魔法をかけられそうになったのか」
ハーマイオニーは顎を擦りながらも、私のネックレスを眺めていた。
「不思議ね·····。何故ネックレスは光ったのかしら。それに、ハリーたちはどうするのかしら。ホグワーツに来れるのかしら、汽車に乗らずに」
「·····分からないわ」
不安になりながら、ネックレスを眺めている時だった。
ジニーが私のローブをギュッと掴んでハーマイオニーを見ていたのに気がつく。
「そういえば、ジニーはハーマイオニーとあの時話していなかったわね」
「そちらは確か、ロンの妹さんよね?初めまして、ハーマイオニー・グレンジャーよ」
「ジネブラ・モリー・ウィーズリーよ。ジニーって呼んでちょうだい」
緊張しながらもジニーは自己紹介をしてから、ハーマイオニーと握手を交わした。
「ジニーは今回、入学するのよね?グリフィンドールに来たら宜しくね」
「ええ、よろしく。私、アリアネから貴方の話をたくさん聞いたわ。どんな呪文も使いこなせる優秀な魔女だって」
「そうなの!嬉しいわ!でも、どんな呪文もじゃないわ。今からも勉強しなきゃいけないの」