第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
そうして、キングズ・クロス駅に到着したのは11時15分前だった。
アーサーおじさんは車から飛び出すと、道路の向こうにあるカートを数台持ってきてから慌てて皆でトランクを載せて、大急ぎで駅の構内に入る。
さて、ここからが問題がまだある。
ホグワーツ特急に乗るには、マグルの目に見えない9と4分の3番線のホームに行くこと。
9番線と10番線の間にある、硬い柵を通り抜けなければいけないのだ。
マグルに見られないように、慎重に。
「パーシー、先に」
時計がホグワーツ特急が向かうまであと5分しかないことを示している。
パーシーは先に前身してから消えて、次はアーサーおじさんとフレッドとジョージが消えていく。
「わたしがジニーを連れていきますからね。3人ですぐにいらっしゃいよ」
モリーおばさんはジニーを連れてするりと壁の向こうに消えた。
「もう時間が無いわ」
「一緒に行こう。1分しかない」
私たちは頷きあってから、9番線と10番線へと走った。
するりと私は壁を通り抜けたけれど、その時に胸元でネックレスが光ったのである。
「え!?」
光ったのは、クィレルが私に魔法をかけた時に見たのが最初で最後だった。
魔法が私を襲った時に光ると知ったけれど·····。
「まさか、さっきの壁に魔法が·····!?」
足が9と4分の3番線のプラットフォームに着く。
そして急いで壁の方を振り向いて、私は更に驚愕してしまった。
「ハリーとロンがいないわ!!」
「アリアネ!?何をしているの、早く乗らないと遅れるわよ!」
「モリーおばさん!ハリーとロンが来てないの!」
「なんですって!?」
モリーおばさんは私の言葉にギョッとした。
それから時計を見あげてから、私を背中を押していく。
「とりあえず、貴方は乗りなさい!遅れてしまうから」
「で、でも!ハリーとロンが!」
「あの子たちは私がなんとかするから。フレッド、ジョージ!アリアネの荷物を乗せてあげて!」
「「了解!!」」
呼ばれたフレッドとジョージが私の荷物をホグワーツ特急へと載せてくれる。
そして2人に腕を掴まれて、私はホグワーツ特急に乗り込んでから壁へと目をやった。
まだ、ハリーとロンはこちら側にきてはいない。
「どうしよう!もう汽車がでちゃうわ!」