第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
アーサーおじさんなんか、ジニーのトランクを車に乗せるのに庭を横切っていた途中で鶏に躓いて、危うく首の骨を折るところだった。
9人の乗客お大きなトランク7個。
ふくろう3羽、ネズミ1匹をどうやって小型のフォード・アングリアに詰め込むのかとハリーは不思議そうにしていた。
「モリーには秘密だよ」
アーサーおじさんは、モリーおばさんに秘密で車のトランクに全部のトランクが入るように拡大呪文で魔法をかけていたのだ。
やっとみんなが車に乗り込むと、モリーおばさんは後ろの席を振り返った。
私とハリーとロン、フレッドにジョージとパーシーが全員心地よく座っている。
「マグルって、わたしたちが考えているよりずーっといろんなことを知ってるのね。そう思わないこと?」
モリーおばさんの言葉に、私は苦笑を浮かべる。
さすがに『アーサーおじさんが魔法をかけたのよ』なんて言えない。
ジニーはというと、モリーおばさんと前の席に座っていて、その席は公園のベンチのような形で引き伸ばさていた。
「だって、外から見ただけじゃ、中がこんなに広いなんてわからないもの。ねえ?」
そして、車はウィーズリー家から発車した。
だけど途中でそれは何度も何度も、家に戻ることになったのである。
まず、ジョージがフィリバスターの花火の箱を忘れたから引き返して欲しい。
次はフレッドが箒を忘れたから引き返して欲しいといい、やっと高速道路出たかと思えばジニーが『日記を忘れた!』と引き返した。
遅れに遅れて、みんなイライラとしてしまう。
「どんだけ忘れ物してるんだよ!」
「フレッドには言われたくないと思うわ」
「本当にそうだよ。フレッドとジョージにジニーも出る前に確認しとけよな」
「うるさいわね、ロン。仕方ないでしょう!バタバタしてたもの!」
みんな、イライラしている中でアーサーおじさんは時計をちらりと見てからモリーおばさんをちらりと見る。
「モリー母さんや」
「アーサー、ダメ!」
「誰にも見えないから。この小さなボタンは私が取り付けた『透明ブースター』なんだがーー。空高く上がるまで、車は透明で見えなくなる。そうしたら、雲の上を飛ぶ。10分もあれば到着だし、だーれにもわかりゃしないから」
「だめって言ったでしょ、アーサー。昼日中はだめ」