第1章 ホグワーツ魔法魔術学校【賢者の石】
マクゴナガル、と呼ばれた先生は扉を大きく開く。
玄関ホールはとても広くて、私はほう……と息を洩らしながら天井を見上げる。
(とても広いわ……)
石壁はには松明の炎で照らされて、不思議な雰囲気を醸し出している。
私と同じように、周りの子達は不思議そうに周りを見回していた。
「凄いわね、ロン。とても広いわ」
「天井高すぎるよ……」
「凄いね。僕がいた……なんだっけ、そうマグルの家が丸々入りそうな広さだよ」
「僕の家も丸々入りそうだよ」
「どの家でも丸々入りそうだわ」
ロンとハリーと感激したように呟きながら、石畳のホールを歩いていく。
そして入口の右手の方から何百人のざわめきが聞こえてきて、どうやらあちらはホグワーツの在校生が集まっているみたい。
でも、私たちはそこにはまだ行かないみたい。
マクゴナガル先生はそこを通り過ぎると、ホールの脇にある小さな空き部屋に私達を案内した。
「ホグワーツ入学おめでとう」
マクゴナガル先生は、私達を見回してから静かな声で挨拶をした。
「新入生の歓迎会がまもなく始まりますが、大広間の席につく前に、皆さん入る寮を決めなくてはなりません。寮の組み分けはとても大事な儀式です。ホグワーツにいる間、寮生が学校での皆さんの家族のようなものです」
マクゴナガル先生は、一人一人と新入生たちの目を見ながらゆっくりと丁寧に説明を始める。
それを私たちは緊張と期待を胸を高鳴らせながら、静かに聞いていた。
「教室でも寮生と一緒に勉強し、寝るのも寮、自由時間は寮の談話室で過ごすことになります。寮は四つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンです。それぞれ輝かしい歴史があって、偉大な魔女や魔法使いが卒業しました。ホグワーツにいる間に、皆さんのよい行いは、自分の属する寮の得点になりますし、反対に規則に違反した時は寮の減点になります」
その言葉を聞いたロンは、私の耳元で小さく囁いた。
「フレッドとジョージはどれだけ減点されたんだろう」
恐らく、たくさん減点されたはず。
私は二人が減点だと言われている姿を想像して、危うく吹きそうになった。
「学年末には、最高得点の寮に大変名誉ある寮杯が与えられます。どの寮にはいるにしても、皆さん一人一人が寮にとって誇りとなりますよう望みます」