第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
モリーおばさんなんかは、暴れたアーサーおじさんへと怒りをあらわにしていた。
「子どもたちに、なんてよいお手本を見せてくれたものですこと·····公衆の面前で取っ組み合いなんて·····ギルデロイ・ロックハートがいったいどう思ったか·····」
「あいつ、喜んでたぜ。店を出る時あいつが言ってたこと、聞かなかったの?あの『日刊預言者新聞』のやつに、喧嘩のことを記事にしてくれないかって頼んでたよ。なんでも、宣伝になるからって言ってたな」
何故喧嘩まで宣伝になるのだろうか。
不思議に思いながらも、私たちは少ししょんぼりとしながらも漏れ鍋へと向かった。
ウィーズリー家と私とハリーはフルーパウダーを使って煙突から隠れ穴に戻り、ハーマイオニーとご両親は裏側のマグルの世界に戻るという。
私たちはハーマイオニーにお別れを言い合った。
「ハーマイオニー、またホグワーツでね。また手紙を出すわ」
「そうしたちょうだい、アリアネ。夏休みの間に、喧嘩したりしちゃダメよ?」
「しないわよ。マルフォイが現れない限りは」
「もう!!ロンとハリーもまたね。問題を起こさないように」
「わかってるよ、ハーマイオニー」
「またね、ハーマイオニー」
私たちはそうして、別れを告げるとそれぞれの家へと帰るのだった。
家に帰ったあと、私はなんとも言えない気分だった。
ルシウス・マルフォイに会ったせいなのかもしれないけれど、あの男から父さんの名前なんて聞きたくなかった。
「まったく、いい歳して喧嘩だなんて!」
「あの男が悪い。私たちの家をバカにして、挙句の果てにはアリアネの前でウィリアスのことを言った。あの男にウィリアスは幼なじみだと言う資格はないんだ」
「それは同感ですけどねえ!」
アーサーおじさんは未だに怒っていて、そんなアーサーおじさんに説教しながらモリーおばさんは手当をしていた。
「ねえ、アリアネ。マルフォイの父親と君のお父さんって·····」
「幼なじみだったらしいわ。決別したらしいけれどね」
「そうなんだ」
「家同士に交流があったみたいなの。でも、マルフォイ家はあんなでしょう?母さんと結婚する時に、あちらと揉めたみたいで決別したって聞いたわ」
マグル生まれの母さんと結婚するといったら、ルシウス・マルフォイが母さんを貶したらしい。
それがきっかけで決別したと聞いた。