第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ジニーの耳元で囁けば、彼女は顔を真っ赤にさせながら私の腕を叩いてきた。
本当に可愛らしいと和やかな雰囲気だったのに、それをぶち壊す男が現れる。
「いい気持ちだったろうねぇ、ポッター、フリート?」
この声は振り返らなくてもわかる。
私とハリーは嫌な顔をしながらも、振り返ってから『やっぱり』という表情になる。
私たちの背後に、薄ら笑いを浮かべているドラコ・マルフォイが立っていた。
「有名人のハリー・ポッターとアリアネ・イリアス・フリート。ちょっと書店に行くのでさえ、一面大見出し記事かい?」
「ほっといてよ。ハリーとアリアネが望んたことじゃないわ!」
ジニーは私とハリーを庇うように言う。
するとマルフォイはジニーを睨みつけた。
「ポッター、ガールフレンドができたじゃないか!」
「あら、嫉妬かしら?マルフォイ」
「は!?」
「自分は古き良き純血の聖・28一族のマルフォイ家の息子なのに、名前はそんなに知られていないのに嫉妬したんでしょう?可哀想に。父親は悪評で有名なのに、息子は何も有名じゃないものね」
「なんだと!フリート、その減らず口をなんとかした方がいい。その減らず口が災いの元になって、本当にフリート家は·····!」
その時だった。
人混みをかき分けながら、ロンとハーマイオニーがこちらへとやってきたのである。
「なんだ、君か」
ロンはマルフォイの言葉を遮ると、まるでゴミを見るかのような目でマルフォイを見た。
「ハリーとアリアネがここにいるので驚いたっていうわけか、え?」
「ウィーズリー、君がこの店にいるのを見て驚いたよ。そんなにたくさん買い込んで、君の両親はこれから1ヶ月は飲まず食わずだろうね」
「なんですって!?」
「アリアネ、辞めなさい!」
「杖を収めるんだ、アリアネ!ロンもやめろ!」
マルフォイにかかって行こうとすると、ハーマイオニーとハリーにロンと共に止められた。
「ロン!アリアネ!」
すると、アーサーおじさんがフレッドとジョージを連れて人混みをかき分けながらこちらへとやってきた。
「何してるんだ?これはひどいもんだ。早く外に出よう」
「これは、これは、これは。アーサー・ウィーズリー」
外に出ようとした時、アーサーおじさんを誰かが呼び止めた。