第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
「みなさん、ここに、大いなる喜びと、誇りを持って発表いたします。この9月から、私はホグワーツ魔法魔術学校にて、『闇の魔術に対する防衛術』の担当教授職をお引き受けすることになりました!」
私はふと思った。
ホグワーツの『闇の魔術に対する防衛術』の担当はまともな人が教授にはならないんだなと。
その後、私とハリーはギルデロイ・ロックハートの全著書をプレゼントされた。
正直言って要らないので、モリーおばさんかハーマイオニーに渡すことにする。
「そういえばさ、アリアネはなんで名前を知られていたの?僕、そういえば詳しく知らないなって思って」
2人で重たい本をフラフラとしながら運んでいれば、ハリーがそう聞いてきた。
「そうね、詳しく話していなかったわね。まあ、1番はヴォ·····『例のあの人』が目の前にいたのにも関わらず殺されずに生き残った子供ていうので名前が知られているのもあるわ。それと、もう1つ·····フリート家は数十年前に『滅びるだろう』って予言されていたの」
まだ私が生まれる前の話。
とある預言者から『フリート家は誰1人残らずに滅びて、フリートの名は消えるだろう』と予言されていた。
その通りに、フリート家の人間は死んでいき滅びる直前まで来ていたのだ。
だけど、私だけが生き残った。
滅びるだろうと言われていたのに、私一人だけが生き残ったのだ。
滅びる運命だったはずの、魔法界でも最も旧いと言われるフリート家の生き残り。
「それがあって、名前が知られているのよ」
「滅びるって·····」
「ただの予言だから、本当にそうなるとは限らないわよ。予言って占いと一緒で根拠がなくて曖昧なものだもの。その証拠に滅びることなくフリート家の人間である私は生きてるわ」
そんな話をしながら、私たちは人垣から逃れるために部屋の隅へと逃げた。
するとそこにはジニーがいて、買ってもらったばかりの大鍋の傍にいる。
「あら、ジニー。ここにいたのね」
「うん·····人が多すぎるから」
「これ、あげる」
すると、ハリーは先程ロックハートに渡された本をジニーの持つ大鍋の中に入れた。
「僕のは自分で買うから」
「·····良かったわね、ジニー。ハリーからプレゼントよ」
「アリアネ·····!!」