第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
「いいえ、売ってました」
「それじゃ、心配になったわけだ。あぁ、ルシウス・マルフォイの尻尾をつかみたいものだ·····」
アーサーおじさんは、前からルシウス・マルフォイの尻尾を掴みたいと言っていた。
だけど中々、ルシウス・マルフォイの尻尾を掴む証拠が無くて苛立ちを見せる時だってある。
そんな時、モリーおばさんが厳しい声で言った。
「アーサー、気をつけないと」
ちょうど、グリンゴッツの小鬼がお辞儀をしながら銀行に私たちを招き入れてくれている所だった。
「あの家族は厄介よ。無理して火傷しないように」
「何かね、わたしがルシウス・マルフォイにかなわないとでも?」
モリーおばさんの言葉にムッとしていたアーサーおじさんだけど、ハーマイオニーのご両親が居ることに気がつくとそちらへと気が向いてしまったらしい。
マグル好きのアーサーおじさんは、ハーマイオニーのご両親に好意的に話しかけて、マグルの紙幣に興味津々だったりしていた。
「ハーマイオニー、あとでご両親にご挨拶してもいいかしら?」
「ええ、是非話してちょうだい。両親もアリアネに会うのを楽しみにしていたのよ」
「じゃあ、尚更ご挨拶しないと」
「ハーマイオニー。あとで、ここで会おう」
ハーマイオニーと1度別れてから、私たちは小鬼に連れられて地下の金庫へと向かう。
最初はウィーズリー家の金庫に向かうので、小鬼の運転するトロッコに乗ってウィーズリー家の金庫に到着した。
私とハリーは少しだけ気まずかった。
ウィーズリー家の金庫には、シックル銀貨がほんのひと握りとガリオン金貨が1枚だけ。
私とハリーはそれを見て、そして自分たちの金庫に行った時は申し訳ない気持ちでいっぱい。
(この時はいつも気まずいのよね·····。ハリーも気まずそうだし·····)
私はさっと金庫の中に入ってからコインを数えずに掴んで、袋の中に入れた。
ハリーも同じように、ポッター家の金庫に向かうとすぐに出てくる。
「ハーマイオニー、お待たせ」
地下から出た私たちはハーマイオニーと合流した。
そして、パーシーは新しい羽根ペンが欲しいと言ったり双子たちは悪友のリー・ジョーダンを見つけたり。
モリーおばさんとジニーは中古の制服を買いにいくことになった。