第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
ヴァンパイアとバッチリ船旅 ギルデロイ・ロックハート著
狼男との大いなる山歩き ギルデロイ・ロックハート著
雪男とゆっくり1年 ギルデロイ・ロックハート著
ほとんどがギルデロイ・ロックハート著の本が並んでいて、目が痛くなるんじゃないかと思った。
するとフレッドはハリーのリストを見て、ジョージは私のリストを覗き込む。
「君のもロックハートの本のオンパレードだ!『闇の魔術に対する防衛術』の新しい先生はロックハートのファンだぜ。きっと魔女だ」
すると、フレッドはモリーおばさんと目が合って黙るとママレードをパンに塗っていた。
「この一色は高くないぞ。ロックハートの本はなにしろ高いんだ·····」
ジョージがチラリとモリーおばさんたちを見ていた。
「まあ、なんとかなるわね。たぶん、ジニーのものはお古ですませれると思うし」
「私は、両親が残してくれたお金で買うわ。両親のお金、いくから出そうか?モリーおばさん。お世話になっているし」
「あら、大丈夫よアリアネ。貴方のそのお金は、ウィリアスとヘレンが貴方にと遺してくれたものだから貴方がちゃんと使いなさい」
「うん、そうするわ·····。ジニー、入学楽しみね」
「ええ、楽しみだわ」
そう話していると、ハリーがちょっとだけ驚いた顔をしてジニーに訊ねる。
「あぁ、君も今年ホグワーツ入学なの?」
するとジニーは頷きながらも、顔を真っ赤にさせてバターの入ったお皿に肘を突っ込んでしまった。
それを見たのは私とハリーだけだったようで、双子に見られなくて良かったと安堵する。
「ジニー、貴方大丈夫?」
「大丈夫じゃないわ·····ハリーがいるもの」
どうやらジニーはハリーに恋をしているらしい。
ハリーを見る度に顔を真っ赤にさせて、そして挙動不審になったりとしているのだから。
憧れから恋をしたようで、私はそんなジニーが可愛らしくて笑ってしまう。
「笑わないでちょうだい、アリアネ」
「ごめんなさい、ジニー。ふふ」
小声で話していれば、手編みのタンクトップに監督生バッジを付けたパーシーが現れた。
「みなさん、おはよう。いい天気ですね」
「おはよう、パーシー」
挨拶をしながらパーシーはひとつ空いた椅子に座るけれど、すぐに弾けるように立ち上がった。
パーシーのお尻の下からは、エロールが現れたのである。
「エロール!」