第6章 ギルデロイ・ロックハート【秘密の部屋】
モリーおばさんはいつも、庭小人駆除をさせてくれない。
怪我をしてしまうから、女の子は危ないことをしてはいけないからと。
でも糖蜜パイを焼くというのな素敵な事なので、そちらをする事に決めた。
そしてハリーは、モリーおばさんに上に寝ることに対して首を横に振る。
「僕、ロンの手伝いをします。庭小人駆除って見たことがありませんし」
「まあ、優しい子ね。でも、つまらない仕事なのよ。さて、ロックハートがどんなことを書いているか、見てみましょう」
暖炉の上の本の山。
そこからモリーおばさんはとある、一冊の分厚い本を取り出した。
「ママ、僕たち、庭小人の駆除のやり方ぐらい知ってるよ」
唸るジョージを無視してから、モリーおばさんは本を読み始める。
本の題名は『ギルデロイ・ロックハートのガイドブック 一般家庭の害虫』という本。
私はウゲェという顔をした。
波打つブロンド、ブルーの瞳に一般的にハンサムと言われるだろう顔の魔法使い。
表紙に映るロックハートの顔は、好みじゃない。
なんだかとても胡散臭い顔をしているもの。
「あぁ、彼ってすばらしいわ。家庭の害虫についてほんとによくご存知。この本、とてもいい本だわ·····」
「ママったら、彼にお熱なんだよ」
「フレッド、バカなこと言うんじゃないわよ」
フレッドの言葉に、モリーおばさんは少しだけ頬を赤く染めていた。
でもフレッドの言う通り、モリーおばさんはロックハートにお熱なのだ。
私にはどこが魅力的なのは分からないけれど。
(私の名付け親の方が、ハンサムと思うけれど·····)
なんて思いながら、紅茶を1口飲む。
「いいでしょう。ロックハートよりよく知っていると言うのなら、庭に出て、お手並みを見せていただきましょうか。あとでわたしが点検に行った時、庭小人が1匹でも残ってたら、その時後悔しても知りませんよ」
そうして、ウィーズリー兄弟とハリーは庭へと庭小人を駆除しに向かった。
私は後片付けをしてから、ジニーに朝食を届けに行こうとすれば彼女は恐る恐ると台所にやって来る。
「あら、ジニー。来たのね」
「最悪だわ。ネグリジェ姿をハリーに見られちゃった」
「気にしてないと思うわよ」
ネグリジェ姿から服へと着替えていたジニーは、椅子に腰掛けてから用意されていた朝食を食べ始める。